個人の生命・身体及び財産の保護、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締りやその他公共の安全と秩序の維持のための活動ということになります。いま警察の活動で一番注目を集めているのは、いわゆる『闇バイト』で集めた実行犯を使った強盗、「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」による犯罪の捜査でしょう。
実行犯となった若者は次々と逮捕されていますが、犯罪の元締めと思しき指示役などの被疑者は逮捕されていません。警察も合同捜査本部を立ち上げ、威信をかけて検挙を目指しているものの、それをあざ笑うかのように事件が繰り返し発生しています。最近は首都圏以外にも広がっている可能性があります。

警察は、実行役になってしまう若者に対し、『警察は相談を受けたあなたやあなたの家族を確実に保護します。安心して、そして勇気を持って、今すぐ引き返してください。』と呼びかけています。異例の呼びかけですが、どうにかして強盗事件を防ごうとしている意図は、よくわかります。
首都圏を中心に起きている一連の事件は、住人が在宅していても家に押し入り、暴力を振るうなどして金品を奪うだけでなく、誘拐や監禁、傷害致死に至る例まであって、凶悪な犯罪となっています。逮捕されれば重い刑罰は免れず、無期懲役の判決まで出ています。

人生を棒に振ってしまうのに、こんな凶悪な犯罪に簡単に加担してしまう若者の多いことが嘆かわしい限りです。闇バイト・裏バイトに応募してきた若者に個人情報を出させ、「本人や家族などに危害を加える」と脅し、実行するしかない状態に追い込む手口がわかってきています。
問題は、今これだけ大きく報道され、テレビや新聞だけでなく、ネットでも大きな話題となっているにもかかわらず、闇バイトに応募してしまう若者が絶えないことです。若い世代は、テレビや新聞を見ておらず、自分の関心のある情報をSNSなどから仕入れるだけなので、闇バイトの危険性を知らないのでしょう。
最近は闇バイトと言わず、ホワイト案件などと違う言葉を使って巧みに勧誘しているようです。短時間で高額な報酬が得られる、誰でも出来るバイトなんてあるはずがないのに気がつかないのが残念です。今はネット賭博などの敷居が低いため、多額の借金を作ってしまう人が多いという背景もあるのでしょう。
すでに捕まって裁判で判決を受けた被告が重い実刑判決を受け、後悔していることも報じられています。もし、こうした報道等を見れば、闇バイトに応募しても報酬はもらえず、犯罪の実行犯として使い捨てされ、いかに割に合わないか、理解するはずです。
やはり、ニュースはもちろん、テレビのワイドショーなどですら見ていないのでしょう。警察は必死に注意喚起していますし、若者たちに異例の呼びかけをしていますが、見ておらず知らないのでは効果は見込めません。依然として犯罪は起きており、防げていないことに隔靴掻痒の感があります。
そこで私が思うのは、
警察も、犯行グループと同様の方法で、SNSを使って闇バイトを募集してみたらどうでしょうか。今はホワイト案件など、アプローチも変化しているようですが、警察は手口などの相応の情報を得ているはずですから、犯罪グループのものと見分けのつかない募集が出来るはずです。
それに応募してきた若者から個人情報を聞き出し、同じように呼び出します。そこで確保して警察署に連行するなどして、説諭するわけです。これが本物の犯罪グループで、強盗を実行させられていたら、いかに重大な罪に問われ、取り返しのつかないことになっていたか、理解・納得・反省させるわけです。
もちろん、応募してきた人たちを、強盗未遂などの罪に問おうというのではありません。それだとおとり捜査になってしまい、日本の法律では許されません。しかし、本物の犯行を防ぐために、あえて応募させ、未然に犯行を防ぐ目的ならば容認されるのではないでしょうか。(法律的な問題が残るのかも知れませんが。)
つまり、犯罪グループを出し抜いて、闇バイトに応募するような人を片っ端から呼び出して説諭してしまうのです。どれくらい応募するような人がいるのか知りませんが、警察が前もって呼び出しまくって、犯罪グループには人が雇えないようにしてしまうわけです。上手くいけば多くの犯行を防げるでしょう。
SNSですから、どこに住んでいるかわかりませんが、47都道府県の警察が手分けして呼び出せば、相当の数がこなせるのではないでしょうか。犯罪グループの検挙にはつながらないでしょうが、少なくとも実行役を片っ端から説諭し、応募する人を枯渇ざせてしまえば、とりあえず犯行を防ぐ効果は見込めるのではないでしょうか。

警察と言えば、来月から自転車のスマホを使いながらの運転や酒気帯び運転が厳罰化されることになりました。警察も取締りを強化すると思います。取締ることは賛成です。相応の抑止効果が見込める可能性もあるでしょう。しかし、全てを取り締まれるわけではなく、根絶は難しく事故は起きると思います。
特にスマホは、これだけ手放せず、常にチェックしていなければ気がすまない、スマホ依存のような人が増えている以上、やってしまう人は無くならない気がします。クルマの運転時も同じで、スマホだったかは明らかになりませんが、近年「よそ見」をしていたとして事故を起こす人が増えているように感じます。

これまで、取締りをすることで抑止力とし、事故を予防してきました。でも、闇バイトもそうですが、今までのやり方では防げない事故や犯罪が増えているように感じます。これまでのスタイルを踏襲するだけでなく、警察も、もっと違った防止方法、活動を考えていく必要があるのではないでしょうか。


◇ 日々の雑感 ◇
自民党が非公認とした候補へ党本部から活動費を支給していたことが明らかになりました。候補者でなく政党支部に出したとの言い訳は非公認候補が支部長なのに厚顔な欺瞞です。国民をなめていると言わざるを得ません。
Posted by cycleroad at 13:00│
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