返り咲きを果たし、来年1月にトランプ氏は第47代のアメリカ大統領になります。すでに政権構想を進め、外国の首脳との電話会談を行うなど精力的に準備をしていることが報じられています。大統領になったら24時間で終わらせると豪語していたウクライナ戦争の行方も注目されています。
ところで歴代のアメリカ大統領、とくに近年は自転車に乗る大統領が少なくありません。このブログでも取り上げてきましたが、例えば43代のジョージ・W・ブッシュ大統領は自転車好きで、在任中、中国を訪問した時にはわざわざ自転車を持ち込んで北京でサイクリングを楽しむほどでした。
退任後も、退役軍人を支援するために毎年恒例の自転車ツアーを開催したりしています。ビル・クリントン大統領も夫妻で自転車に乗る姿が目撃されたりしています。バラク・オバマ大統領も好きというほどではなかったようですが、休暇中に家族で自転車に乗る姿が見られました。
46代、現職のジョー・バイデン大統領も自転車好きで知られています。休みの日に地元で気分転換や運動のために、よく自転車に乗っています。たまたまテレビの記者が待ち構えていたところに停まろうとして転んでしまい、瞬時に世界中に配信されてしまったのを覚えてる方もあるでしょう。
映像を見ると、使っていたトゥークリップが引っ掛かってしまい、いわゆる立ちゴケしただけで、サイクリストの方なら大した話ではないとすぐわかるのですが、バッチリ映像に残ってしまったため、気の毒ながら、その高齢とあいまって世界的に話題を提供してしまいました。
この件については、バイデン大統領に当時の2期目を阻止されたトラナンプ元大統領が揶揄しています。そして私なら絶対に自転車に乗らないと演説の中で主張しています。トラナンプ氏が自転車に乗っているところを目撃したという話は聞いたことがありません。おそらく乗る気はさらさらないのでしょう。( ↑ 動画参照)
トランプ氏がやるスポーツとしてはゴルフが有名です。しかし、通常はカートを使い、コースを歩くことはないそうです。そもそも運動はエネルギーの無駄遣いだと考えているのです。一方で彼は、最初の任期の大統領に就任する前、歴代で最も健康な大統領になるだろうと公言しています。独特な考え方です。
およそ自転車には乗らず、興味がなく、全く縁のない人に見えますが、実はアメリカのプロの自転車競技の世界で大きな貢献をした人物なのです。1989年5月に開催された、その名も、『ツール・ド・トランプ』です。それまでなかった世界クラスのロードレースをアメリカにもたらしました。(スタートの合図をしている ↓ )
もともとはツール・ド・フランスを取材したNBCの記者が発案したもので、スポンサーを探していたところ、トランプ氏が応じたのです。ツール・ド・フランスに匹敵する大会をアメリカに誕生させるというアイディアに食いついたと言われています。
その名がツール・ド・アメリカや、ツール・ド・USでなく、ツール・ド・トランプというのが、いかにも彼らしいところです。有名なトランプ・タワーをはじめ、カジノ、ショッピングモール、航空会社などさまざまなものにトランプの名を冠しているのは誰もが知るところです。
ただ、意外なことに最初は、ツール・ド・トランプという名はマスコミに叩かれると難色を示したと言います。しかし、すぐにその商業的価値に気づき了承しました。当時としてはツール・ド・フランスには及ばないものの、ジロ・デ・イタリアを上回る賞金総額25万ドルの大会として多くの注目を集めました。
この初開催のツール・ド・トランプは、著名なスポーツ・イラストレイテッド誌が「大成功」と評するほどの盛況だったそうです。いろいろ反発されるところもあったものの、これが、アメリカにおけるプロ自転車レースの興隆に貢献したのは間違いないでしょう。
ただ、いろいろ経緯もあり、翌年の第2回を最後にトランプ氏はスポンサーから撤退し、3回大会からは化学メーカーのデュポン社が主要スポンサーとなり、ツール・デュポンになりました。トランプ氏は、自転車に乗ることには興味がなかったものの、さすがビジネスマン、ビジネスとしてのレースには関心を持ったわけです。
当時のインタビュー映像が残されていますが、子どもの頃に乗って以来、自転車には乗ったことがないようです。興味深いのは、将来の政界進出の可能性を問われて、懐疑的な答えをしていることです。当時は政治家になるつもりはなく、ましてや大統領を目指すとは考えていなかったのでしょう。( ↓ 動画参照)
実際、最初の大統領選に出た時は泡沫候補扱いで、誰も当選するとは思っていませんでした。世界が驚いたと言っても過言ではないでしょう。それが1期を務め、次の選挙選では敗れたものの、再び当選し132年ぶり2人目の返り咲きを果たしました。いまや世界中が来年に向けた彼の動きを注視しています。
ちなみに、依然として彼は自転車になんて興味はないでしょう。欧州には国レベルで活用を打ち出すところもありますが、それは温暖化ガス削減の文脈であって、パリ協定から再離脱すると見られ、温暖化ガスなどまやかしだとするトランプ氏は眼中にないと思います。もちろん、そんなことを期待するわけでもありません。
世界に関税を課す政策も懸念されますし、気候変動問題は停滞が予想されます。化石燃料を掘って掘って掘りまくれと煽っています。しかし、それが原油価格を大幅に下げ、ロシアの経済力、継戦能力を削いで戦争の終結につながるのなら意味はあります。いずれにせよ、2期目のトランプ大統領を世界が注視しています。
◇ 日々の雑感 ◇
国民民主の玉木代表、慢心があり調子に乗っていたと謝罪していますが、103万円の壁撤廃のチャンスなのに間が悪すぎます。ただ過去には議員辞職した人までいるのに公人として何の責任もとらなくていいのでしょうか。
Posted by cycleroad at 13:00│
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