December 21, 2024

自転車に国籍人種は関係ない

自転車は道具の一つに過ぎません。


日常生活での移動、通勤や通学、仕事や買い物に使う手段という人もいるでしょう。趣味やスポーツ、健康増進のために自転車に乗る人もいます。食べ歩きとか、野鳥観察、釣り、サーフィンといった他の趣味のためのアシとして使っている人などもいるでしょう。

単なる道具、あるいは趣味に過ぎないのは確かですが、何か特別なものとして感じている人もいます。例えば、乗っているとイヤなことを忘れてしまう、乗ると誰もが笑顔になる、遠くに出かけたくなる、乗っていない人に勧めたくなる、乗っていて楽しいのに加えて健康になるといったようなことです。

Bikes Without BordersBikes Without Borders

そして、自転車を使うことで問題を解決できる、世界を変えることが出来ると信じる人も少なからずいます。自転車によってチャリティをしようと考える人が大勢いるのです。これまでにもいろいろ取り上げてきましたが、自転車関連のチャリティ団体、NPOなどはたくさんあります。

チャリティであれば、現金で支援したり寄付する手もあるわけですが、あえて自転車や自転車関連のソリューションを通じた支援、慈善活動を展開する人、団体は少なくありません。そのあたり、他のスポーツや他の道具とは違う側面があると感じている人も多いということなのでしょう。

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自転車は言葉を交わさなくても乗ればわかります。国籍や人種などを超え、自転車がコミュニケーションの手段になることもあります。海外では、国によって多くの移民が身近にいて、虐げられていたり、貧困に苦しんでいるのを見ることがあります。そのような人たちに国籍を超えて支援したいと考える人も少なくありません。

Bikes Without Borders”(国境なき自転車)というコンセプトを掲げたり、そのままを支援団体名にする人たちがいます。「国境なき医師団」とか「国境なき記者団」という団体を聞くことがあります。必ずしもそれらと似たような活動をするわけではありませんが、自転車も国境は関係ありません。国籍を超えて活動する人たちです。

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例えば、カナダのトロントを拠点として活動する“Bikes Without Borders”は、主に国内での活動ですが、トロントで増えている難民や移民、そしてその多くは低所得世帯ですが、彼らに修理して再生した自転車を提供したり、乗れない人にはトレーニングしたりする運動を展開しています。

もちろん、食事や日々の家計に苦しむ人たちですが、せめて移動のニーズを満たしてもらおうとの考えです。これにより職業紹介所などに行って仕事を探したり、職場まで通ったり、ボランティアによる炊き出しに行くなど、これまで遠くて断念していた場所へ行くことが出来るようになります。これは大きな助けになります。

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募金はなかなか継続的に集まらなくても、使い古しや壊れた自転車ならば手に入ります。むしろ引き取ってもらってありがたいという市民もあるでしょう。それらをボランティアが修理し、再生するわけです。それが縁で地域の移民の人たちと仲良くなったり、移民のコミュニティの相談に乗ったりすることもあります。

ドイツ南部の、Karlsruhe を拠点にする“Bikes Without Borders”は、やはり移民に対して自転車を貸し出したり、自転車の修理を教えたりします。メンテナンスだけでなく、技術を身につけて職探しに活かせる場合もあるからです。もちろん、トロントの団体とは全く別の組織ですが、名前は「国境なき自転車」です。

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アフリカのセネガルで活動する “Bicycles Without Borders Foundation”「国境なき自転車財団」は、現地の子供たちの教育に対するプロジェクトを展開しています。先進国と違って通学する距離が長すぎて、学校に通えない生徒もいます。そうした子供たちに優先して自転車を贈呈しています。

遠くても何とか通えている生徒が欠席を減少させたり、疲労を軽減できたり、成績が上がるといった効果も見られます。この支援によって、大学への進学まで実現する生徒も少なくありません。セネガルの全国平均では31%ですが、このプログラムの支援を受けた学校では57%と進学率がアップしました。

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スペインの、Girona に拠点を置く“Bicicletas sin Fronteras”もスペイン語で国境なき自転車ですが、他のNPOなどと連携し、最も恵まれない人のためにサイクリングを通じた連帯と協力を重点とした活動を展開しています。国内だけでなく、ホンジュラス、ブルキナファソ、インドなどにも自転車を届けています。

中古や使われなくなった自転車の寄贈を受けて再生するだけでなく、資金を集めてオリジナルのモデルの製造にも乗り出しています。頑丈で耐久性があり、パンクしないタイヤなど維持費が少なくて済む自転車です。これが弱い立場に置かれている子どもや若者の人生を変える自転車となっているのです。

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人生を変える自転車なんて大げさな、と感じる人もあるでしょう。でも、地球上のほとんどの「田舎」とされるような地域では、公共交通機関へのアクセスが限られていたり、全く無いところも少なくありません。クルマは所有出来ませんから、歩くことが唯一の移動手段です。学校へ通うために1日4時間以上歩く人もいます。

わずかに採れる農作物を市場に運ぶためにも、診療所などへ行くにも、安全な水を得るためにも歩くしかありません。そのような環境において自転車は、人々の生活に想像もつかないような恩恵をもたらします。子供たちの教育だけでなく、貧困から救い、救急車の役割を担ったりなど、文字通り命を救うことにも役立っているのです。

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それぞれの「国境なき自転車」の相互に直接関係はありません。しかし、「国境なき自転車」を掲げて、国籍や人種、立場などに関係なく支援をし、少しでもいい生活を実現してほしいと考える人、団体というところが共通しています。こうした団体、あるいは理念に共鳴して協力している団体が世界中にあります。

世界中に虐げられたり、貧困に苦しんで日々の食事に困っている人たちがいます。もちろん、食料や金銭的な援助も重要です。一方で、それは食べたり使ってしまえば終わりです。自転車そのものを支援するのは、それとは違って、移動などを通して貧困からの脱出に役立っていることが実証されているからです。

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途上国支援などの場で、魚を与えるのではなく、釣竿や釣り針を与え、釣り方を教えるという考え方があります。魚は食べたらおしまいですが、釣竿や釣り針があれば、その後も継続的に魚を釣ることが出来ます。金銭や食事ではなく自転車というのも、それと似ているかも知れません。

自転車を提供する活動を行う人たちは、それが「釣竿や釣り針」のように生活を支え、貧困から脱出する重要なアイテムになりうると実感しているのです。自転車なんて支援になるのかと考える人も多いと思いますが、「国境なき自転車」を展開する人たちは違います。自転車こそ役に立つと考えているのです。


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◇ 日々の雑感 ◇

年収103万円の壁、上げるには財源が必要とは財務省の論理です。近年は税収が相当上振れしていますし、新たな財源でなく税収の中でやり繰りすべきです。需給ギャップもわかりますが無駄な支出は多いですし大幅な補正予算より減税が経済を回します。保険料と併せた税負担は江戸時代なら五公五民で一揆の起きるレベルです。

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