January 26, 2025

自転車デジタル化による恩恵

自転車を選ぶ基準はいろいろあるでしょう。


趣味のサイクリストであれば、好きなモデルやブランド、スペックなどを優先するでしょうか。日常生活の中、通勤などに使う人であれば、機能や性能だけでなく価格も重要な要素かも知れません。面倒なメンテナンスの手間が少ないことや耐久性を重視する人もあると思います。

ところで、自転車を使っている人で避けられないリスクに盗難があります。当然ながらロックなどを使って盗難防止に努めると思いますが、本体だけでなくパーツを盗まれるのも困ります。近年は電動アシスト自転車の割合が増加していますが、そのバッテリーだけ盗まれるケースも少なくないようです。

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本体は厳重にロックされていても、バッテリーだけなら比較的容易に盗むことが出来ます。本体と比べてかさばらないので盗んだ後の運搬もラクですし、ネットなどで換金するのも容易です。自転車本体と比べて、盗難のアシがつきにくいことも窃盗犯にとってはメリットなのでしょう。

そう考えると、電動アシスト自転車の購入を考えている人にとって、バッテリーが、他と比べて盗まれにくいモデルがあったら選択基準の一つになるのではないでしょうか。ただ、メーカーにしてみれば、窃盗犯は敵という建前はともかく、盗難に遭ったら、また製品を購入してもらえるという面があるのは否めません。

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しかし、一般的に純正のバッテリーは高価なので、安価な互換品、本物に似せた怪しい模造品などを購入する人が後を絶たず、結果的に売り上げにはつながらない場合も多いでしょう。一方で、そのような偽物を使われるとバッテリー火災につながる事例もあり、製品の評判を落とすことになりかねません。

バッテリーの盗難が多いため、どうしても格安の互換品を買いたくなるのは人情です。ネット上などにあふれており、普通に使える場合もあるなら、なかなかそれを抑止できない面もあるでしょう。ならば、自社の電動アシスト自転車のバッテリーを盗まれにくくすることで、他社と差別化するという戦略は十分あるはずです。

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バッテリーを盗まれにくくするだけでなく、純正のバッテリーしか使えないようにすれば、部品交換のニーズも取り込めます。同じ型の純正のバッテリーであったとしても、他の人が購入したものは使えないとするならば、純正のバッテリーを盗んで売りさばこうとする窃盗犯も防げるはずです。

そんな戦略を打ち出したメーカーがあります。Bosch 社です。バッテリーを含む多くのクルマ用の部品などを生産する有名なメーカーであり、製造業としても世界最大規模の会社です。その、Bosch 社が、“CES 2025”で発表しました。“CES”は、アメリカ・ネバダ州ラスベガスで開催される電子機器の最大規模の見本市です。

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同社のバッテリーを含むスマートドライブシステムをベースとして組まれた電動アシスト自転車には、新しい機能が搭載されます。デジタルバッテリーロック機能です。とくに欧米では、自転車市場における電動自転車販売の割合が過半を占めるようになってきています。新しい戦略でシェアを伸ばそうという考えなのでしょう。

現状でも自転車用バッテリーにはカギがついていたりしますが、それは貧弱なものが多く、簡単に壊されてしまいます。しかし、同社の新しいバッテリーロックは、デジタルでロックする方式です。物理的には盗めたとしても、それを別の同型の自転車で使うことは出来ません。

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電動自転車をとめて電源を切るとデジタルのロックが作動し、窃盗犯が再始動しようとしても動きません。バッテリーを盗んで売ったとしても、それを買った人は自分の自転車では例え同型であったとしても使えない仕様になっています。つまり売れなくなります。

Bosch 社のバッテリーシステムを搭載した自転車のバッテリーは、純正であっても他で使えないことが知られるようになれば、買う人がいなくなり、盗んでも仕方ないことになるわけです。盗んだバッテリーを使おうとしても、一台ずつに与えられた機器のIDが一致しないと自動的に無効と判断して作動しないのです。

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この機能を使うには、同社のサブスクリプションサービスに加入する必要があります。盗難防止機能にプレミアムをつけるのは理にかなっています。ただ、そうすると同社のバッテリーの全てが、盗んでも使えないことにならないので、盗む人は盗むでしょう。そうなると依然として盗難被害が発生する可能性があります。

Bosch 社は、見た目ではサービスに加入しているか否か判断できないので、動作しない可能性のあるバッテリーを盗む人はいないだろうとしています。逆に盗んでも使える可能性があるなら、盗む人は盗むでしょうから効果のほどがどうなるかは不明です。

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ただ、こうしたデジタルロックが他社にも広く普及するようになれば、バッテリーの盗難は過去のものとなる可能性があります。細かい仕様はともかくとして、自転車一台ごとにIDを与え、盗難品を使えなくするという考え方は、バッテリー盗防止の標準仕様として、業界全体に広く普及してほしいものです。

その際のスマートキーをスマホに搭載するとするならば、自転車の走行中のスマホの動作も停止できるはずです。盗難に加えて、いわゆるながらスマホ防止にも利用出来ます。純正ではない格安バッテリーの利用も防ぐことになり、増えている自転車バッテリーによる火災の問題も低減するかも知れません。



バッテリーの使われていないスポーツバイクにも、デジタルIDにより、例えばボトムブラケットを自動でロックしてペダルを回せなくするような機構を搭載すれば、自転車盗が意味のない犯罪になる可能性もあるでしょう。つまり、自転車のデジタル化は、自転車におけるいろいろな問題の解決策になるかも知れないのです。

自転車全てに取り入れろとは言いません。どうしてもコストがかかりますから、今までのような馬蹄錠で充分という人も多いに違いありません。ただ、相対的に高価な電動アシスト自転車やスポーツバイクについては、盗難防止になるメリットを考えて支持するという人は多いに違いありません。

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ちなみに、ボトムブラケットをロックしてしまう製品はすでにあります。こうした機能も含め、自転車のデジタルID化という考え方がユーザーに受け入れられれば変わっていく可能性はあるでしょう。自転車のパーツで高い世界シェアを誇るメーカー、日本のシマノあたりが動けば劇的に変わるかも知れません。

自転車はシンプルでアナログな乗り物です。それは今後も変わりません。しかし、パーツには電子的な部分がどんどん入ってきています。新しい技術を取り入れることで、盗難やバッテリー火災、ながらスマホによる事故などの厄災が防止できるのであれば、部分的にデジタル化することは大いに意味があるのではないでしょうか。





◇ 日々の雑感 ◇

JR長野駅前3人殺傷事件の容疑者逮捕、面識ない人への強い殺意など動機が不明ですがまずはよかったです。

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