細い道もあれば広い道路もあります。その道路を管理している主体も違いますし、歩道のあるなしなど形状もさまざまでしょう。交通量も違うでしょうし、舗装の状態や清掃などの維持管理状態が明らかに違う場合もあります。それぞれ接続された道路網の一部であったとしても、場所によって大きな違いがあります。
言ってみれば、道路もバラエティーに富んでいるわけですが、そうした道路を自転車に乗る人の立場から格付けしようと考えた人がいます。Trisha Ballakur さんと、Maggie Bachenberg さんという2人の女性です。きっかけは、Maggie さんが高校卒業後、自転車でアメリカ大陸横断旅行に出たことです。

初めて走る場所ばかりなので、当然のようにGPSによる地図アプリを使いました。しかし、実際に自転車で走行すると、それらのアプリが、サイクリストにとって如何に不親切であるかを痛感しました。知り合った地元のサイクリストが教えてくれたルートと比べると、アプリが選択する道路には大いに不満があったりもしました。
総じて、安全でストレスの少ない道路ではない場合が多いと感じました。単に最短距離を通りたければ、それでもいいのですが、彼女は特に急ぐ旅をしたいわけではありませんでした。なるべくなら安全で安心感があり、クルマなどによるストレスの少ない道路、出来れば快適で楽しくなるような道路を通りたかったのです。
地図アプリや自転車でも使えるナビアプリもありますが、どれも結局はクルマを中心に構築されており、自転車で使うには不満が多いと感じました。その後、Trisha さんと自転車向けに設計された
ナビゲーション・アプリをつくろうということで意気投合しました。
クルマでは普通に通る道だったとしても、必ずしも自転車向きとは限りません。そこで全米の全ての道路を、自転車にとっての安全性や快適さという尺度から評価し直し、ランク付けすることにしました。これにより安全、安心、快適に自転車で走行できるルートを案内できます。

自転車専用道は別として、ほとんどの一般の道路は、太さも速度制限も交通量もそれぞれ違います。自転車レーンがあるか、無くても路肩に余裕があるか、クルマが近くをすり抜けたりしないかなどによって、自転車にとっての走行の快適さは大きく違ってきます。
道路を自転車の視点から評価するとともに、ユーザーが道路の自転車へのフレンドリーさを、1から5段階で評価できるようにしました。傾斜のきつさや路面の状態なども含め、自分の好みを組み込むことも出来ます。こうしたデータをフィードバックすることで、より自転車に優しい道路をチョイスできるようにしました。

工事などの情報もリアルタイムでクラウドソーシングすることで、ナビゲーションに反映させられます。単に地点から地点へのマッピングではなく、よりサイクリストの好みや希望に沿った道路選択を提供するわけです。このようなニーズがあるに違いないと踏んでリリースしたのが、“
Pointz”です。
さらに、スポーツショップや自転車店、地元の自転車好きが集まる店などとパートナーとして提携しています。その街に不案内なサイクリストでも、どこへ行けばいいかわかります。新しいスポットを見つける手助けもしてくれるため、サイクリストには重宝するアプリでしょう。

2人はスタートアップを立ち上げ、このアプリを事業化しています。シリコンバレーの例を挙げるまでもなく、ベンチャーキャピタルの世界では、女性の起業家には評価が集まらない傾向がありますが、すでに多くの資金を獲得し、事業の拡大に取り組んでいます。
“
Pointz”は無料ですが、最近は収益化を視野に入れ、“
Pointz Plus”というサブスクリプションサービスも始めています。こちらは無料版よりさらに強力なルート計画が立てられたり、乗る自転車の種類を入力したり、速度を指定するなどして到着予想時刻まで知ることが出来ます。


電動アシスト自転車ならば、バッテリーの充電量まで概算してアナウンスしてくれます。さらに、地域ごとの業者とタイアップして、24時間年中無休の緊急ロードサービスを提供します。トラブルの際には、自宅や最寄りの自転車店まで、愛車とサイクリストを送り届けることも可能です。
最初に無料でアプリを展開するのは普通ですが、収益化に向けては方法が分かれます。広告を載せたり、個人の移動データを収集して、それを販売するような事例もあります。しかし、“Pointz”では、ユーザーのプライバシーを守り、広告で煩わせたりするのを避け、信頼と満足を勝ち取ろうという考え方なのです。
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今のところアメリカ国内だけのサービスですが、ヨーロッパなどへ広げることも視野に入れています。ヨーロッパも、コペンハーゲンやアムステルダムのように自転車にフレンドリーな都市ばかりではありません。このようなアプリが受け入れられる余地は十分にあると考えています。
自転車の視点から道路を評価するとはユニークなアプローチです。フィードバックされたデータが蓄積していけば、より使いやすくなるでしょう。さらにデータを公的機関に提供して、インフラ整備に役立ててもらうことで、自転車に乗る環境を改善してもらうことも考えています。

自転車でも使える地図アプリはたくさんあると思いますが、全ての道路を自転車の視点から評価し直して案内するという徹底したものは聞きません。ここまでして初めて自転車用で使えるという考え方なのでしょう。たしかに、多少遠回りになっても安全で安心な道路を走行したいというニーズは少なくないと思います。
私は使ったことがないので使い勝手まではわかりません。しかし、なかなか優れたコンセプトだと思います。どこの国でも、道路はクルマ向けになりがちで、自転車からの視点、評価という考え方は一般的ではありません。自転車目線というスタンスが、もっと広がっていくことを期待したいものです。
◇ 日々の雑感 ◇
トランプ米大統領に対する刑事捜査に携わった司法省の職員10人以上が解雇されました。明らかに報復なわけですが、これを就任早々平気でやってしまうのが独特です。政府効率化省による解雇も含め今後も続きそうです。
Posted by cycleroad at 13:00│
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