春が始まる日とされているわけですが、実際には今季一番の寒気が日本列島に流れ込んでおり、各地で降雪による交通への影響なども懸念されています。さて、そんな時期ですが、今回は自転車関連のニュースの中から、目についたものを取り上げてみたいと思います。
自転車の”飲酒運転”男を逮捕 「押して帰っていたが、きつくなって乗った」
21日夜、飯塚市で、酒を飲んで自転車を運転したとして、自称アルバイトの男が現行犯逮捕されました。「押して帰っていたが、きつくなって乗った」などと話し、容疑を認めています。
警察によりますと、自称アルバイトの上川涼三容疑者(49)は、21日午後9時20分ごろ、飯塚市川津の国道201号で、酒を飲んで自転車を運転した疑いがもたれています。
パトカーで警ら中の警察官が、ふらつきながら走る自転車に気づき、運転していた上川容疑者を調べたところ、吐いた息から基準値の4倍を超えるアルコールが検出されたということです。
「間違いない」と容疑を認めた上で、「新飯塚駅から自宅に戻る途中、押して帰っていたが、きつくなったので乗った」という趣旨の話をしているということです。(2025/01/22 KBC 九州朝日放送)
相変わらず、自転車の飲酒運転の検挙が続いています。押して帰れば飲酒運転に問われないことは知っていたのに乗ってしまったようです。ふらついていて警察官が気づくくらいですから相当酔っていたのでしょう。事故にならないだけ幸いだったと言えるかも知れません。
「5時間以上飲酒後にレンタル自転車を使用」小学校教頭が自転車で酒気帯び運転 停職3か月の懲戒処分 熊本
熊本市教育委員会 教職員課 上村清敬課長「熊本市中央区の飲食店で飲酒後、同区の自宅に帰宅する目的でレンタル自転車を使用しました」「大変申し訳ございませんでした」
熊本市教育委員会が謝罪したのは自転車の飲酒運転について。去年11月、小学校に勤める教頭が酒を飲んだ状態で自転車を運転し摘発されたことを受け停職3か月の懲戒処分としました。自転車の酒気帯び運転は去年11月から厳罰化され罰則対象となっています。
市教育委員会によりますと、教頭は熊本市中心市街地で同僚と5時間以上にわたり飲酒、帰宅するためにレンタル自転車を運転しました。
教頭は「この度の行為は悪質であり、子どもたちや保護者などにお詫びのしようもない」と話しているということです。(2025年1月24日 RKK)
こちらは、なんと小学校の教頭先生です。ふだんは自転車に乗っていなかったのでしょうか、レンタル自転車を利用したとのことです。教職にあるものが生徒に示しがつきません。懲戒処分を受けるだろうこともわかっていたはずですが、やはり先生でも飲んでしまうと止められないようです。
警察官が自転車の酒気帯び運転で書類送検 11月の法改正直後に立件 「人と自転車が倒れている」と通報 警察が臨場すると自転車を押している巡査部長が…
去年から罰則が科されるようになった自転車の酒気帯び運転。鳥取県内の警察官が酒を飲んで自転車を運転したとして、書類送検されていたことが分かりました。
自転車の酒気帯び運転で書類送検されたのは、鳥取県内の警察署に勤務する巡査部長です。自転車の酒気帯びが罰則化された去年11月以降、鳥取市内で「人と自転車が倒れている」と通りかかった人から警察に通報があり、現場に向かったところ、巡査部長が自転車を押して歩いているのを発見。警察の調べに対し、酒を飲んで自転車に乗ったことを認めたということです。
改正道路交通法の施行により、去年11月以降、自転車の酒気帯び運転は3年以下の懲役、または50万円以下の罰金が科されることになっています。また、運転手への酒の提供や酒を飲んだ人に自転車を提供することも禁止されています。(1/23 日本海テレビ)
さらに悪質なことに、現職の警察官が酒気帯びで書類送検されています。取り締まる立場であるにも関わらず、酒気帯びをするとは言語道断です。どういう判決が出るのかわかりませんが、一般市民よりも重い刑罰を適用してもいいのではないでしょうか。
「早く帰宅したかった」「違反と知りながら」奈良地検の副検事が自転車で酒気帯び運転 減給3カ月の懲戒処分
酒を飲んで自転車を運転したとして、奈良地検の男性副検事(40代)が懲戒処分を受けました。奈良地検によりますと、副検事は去年12月、帰宅前に知人と飲食店でビールなどを飲んだあと、駅から自宅まで自転車で帰宅したといいます。
副検事は警察に酒気帯び運転の疑いで書類送検され、31日付で罰金10万円の略式命令を言い渡されました。副検事は奈良地検の聞き取りに、「早く帰宅したかった」「違反と知りながら自転車に乗ってしまった」と話しているということで、31日、減給3か月分の懲戒処分を受けました。
奈良地検の大前裕之次席検事は、「法令の遵守に最も厳格であるべき検察官が、法に触れる行為を行ったことは極めて遺憾であり、県民、国民の皆様に深くお詫び申し上げます」とコメントしています。(2025/01/31 ABCニュース)
さらにこちらは、地検の検事が酒気帯びです。検事なのに、違反と知っていて法を犯すとは呆れます。一般人だけでなく、教師や警察官、検事まで違反しています。おそらくこれは氷山の一角で、自転車の酒気帯びを軽視する風潮というのは、かなり広がっていたと見るべきでしょう。
「道じゃない」河川敷なら自転車の飲酒運転OK? 繁華街近い京都・鴨川は往来多いけど、警察の答えは
自転車走行中の酒気帯び運転やスマートフォンの使用(ながら運転)に対する罰則を新設・強化した改正道交法が2024年11月に施行された。
飲酒後に自転車で道路を走るのは当然NG。では、道路以外なら違法にならないのか。京の繁華街のそばを流れる鴨川の河川敷は自転車の往来も多いが、ここなら飲酒運転してもOK? 京都府警に聞くと、答えはやはり「ノー」だ。
府警交通企画課によると、鴨川河川敷のような不特定多数が自由に往来できる場所は「一般交通の用に供する場所」として道交法が適用され、公道と同じ扱いになるという。そうした場所で自転車を酒気帯びで運転すると、11月の改正で新設された罰則「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」の対象となる。自転車に乗る人に酒類を提供したり、飲酒した人に自転車を貸したりしても処罰対象となる。
また法改正では、自転車走行中にスマホを持って通話したり、画面を注視したりした場合の罰則も新設され、6月以下の懲役または10万円以下の罰金となる。事故などの交通の危険を生じさせると、1年以下の懲役または30万円以下の罰金となる。
京都市内では、鴨川と同様に自転車通行が多い京都御苑(上京区)なども道交法が適用される。府警交通企画課は「まだまだ罰則が認識されておらず、つい気軽に乗ってしまうかもしれないが、自転車も飲酒運転は禁止。お酒を飲む際は公共交通機関などで移動を」と呼びかけている。
違反かどうかにかかわらず、飲酒運転は非常に危険な行為だ。改めて、「飲んだら乗るな」の言葉を胸に刻みたい。(2/3 京都新聞)
ニュースではありませんが、自転車の酒気帯びについての解説が載っていました。道路でない河川敷のような場所でも酒気帯びは適用されるとあります。完全な私有地でもない限り、公道と同じ扱いになる場所は多いでしょう。飲んでしまったから河川敷を通って帰ろうというのは通用しないわけです。
自転車が歩道で男性はねたまま逃走 はねられた51歳の会社員は胸の骨を折る大けが ひき逃げ事件として捜査 長野・佐久市
佐久市で20日、歩行者の50代の男性が自転車と衝突し、胸の骨を折る大けがをしました。自転車はその場を立ち去っていて、警察がひき逃げ事件として行方を追っています。
事故があったのは佐久市猿久保(さるくぼ)の国道141号で、20日午後8時すぎ、歩道を歩いていた佐久市岩村田に住む51歳の会社員の男性が、前から走ってきた自転車と衝突しました。
警察によりますと、男性は、胸の骨を折る大けがをしたということです。自転車を運転していたのは男とみられ、小笠原さんを救護することなく、現場から立ち去りました。警察がひき逃げ事件として男の行方を追っています。(2025年1月22日 SBC信越放送)
自転車に乗っている人がはねられて、ひき逃げされたのではありません。自転車が歩行者をはねて、ひき逃げ事件となっています。日常的に歩道を走行して歩行者に対して危険なケースは多いですから、いつ歩行者と接触や衝突して事故になってもおかしくありません。
衝突しなくても、転倒させて大ケガをさせる事例もあります。怪我をさせたら、当然ながら救護して、警察にも届ける必要があります。自転車に乗っている人で、自分がひき逃げ犯になることを想定している人は少ないと思いますが、気が動転しても、逃げたら重罪ということを肝に銘じておくべきでしょう。
「今ここでキスしたら罰金を無しにする」自転車取り締まりの警察官装い少女に詰め寄った男を逮捕
10代の女性に、警察官を装って「今ここでキスしたら罰金を無しにする」などと迫り、わいせつな行為をしようとしたとして、無職の男が逮捕されました。
逮捕されたのは、住居不定無職の鈴木ルイ容疑者26歳です。警察によりますと鈴木容疑者は1月20日、愛知県豊橋市の路上で面識のない16歳の女性に、「警察官です。自転車の違反のことで話があります」などと声をかけ、車に乗せた上、「罰金8000円。いまここでキスしたら無しにして、上にも報告しない」などと脅迫し、わいせつな行為をしようとした不同意わいせつ未遂などの疑いが持たれています。(2025/01/26 TBS)
最近は自転車の取締りが増えていますが、それを利用したわいせつ事件です。よくこんなことを思いつくものです。まだ反則金制度は始まっていませんが、自転車の違反で反則金を取られるのがイヤで、応じてしまう人が出てくるかも知れません。気をつけてほしいと思います。
自転車国際会議、2027年5月に愛媛県で開催 日本初
愛媛県は30日、世界最大級の自転車国際会議「Velo-city(ベロシティ)」の2027年の開催地に選ばれたと発表した。
27年5月25〜28日の4日間、松山市にある県武道館をメイン会場に開催する。欧州サイクリスト連盟(ECF、ブリュッセル)との共催。日本での開催は初めてで、アジアでは台北に続いて2カ所目となる。
ベロシティは1980年から開催されている自転車についての国際学術会議。行政や研究者、愛好家など1000?1500人が集まり、自転車をめぐる社会課題や自転車を活用した街づくりなどについて議論する。展覧会や自転車のパレードなども催す。
同日の記者会見で中村時広知事は「県の世界的な認知度を高め、欧州などからの誘客につなげたい」と話した。オンラインで参加したECFのジル・ウォーレン最高経営責任者(CEO)は「世界の多くの人々が会議への参加を通じて愛媛県の魅力に気づくだろう」と述べた。
愛媛県はサイクリストの聖地とされる「瀬戸内しまなみ海道」を擁し、自転車による地域活性化に注力していることから、ベロシティを誘致していた。(2025年1月30日 日本経済新聞)
世界最大級の自転車国際会議「Velo-city(ベロシティ)」の愛媛県開催が決まったようです。愛媛県は、しまなみ海道があることもあって、自転車の活用に熱心な県です。観光振興だけでなく、全般的に自転車政策を進めています。その意味でも、日本の中では一番ふさわしい県と言えるでしょう。おめでとうございます。
◇ 日々の雑感 ◇
カナダやメキシコへのトランプ関税は発動が急遽延期され報復応酬は当面回避されましたが予断を許しません。
Posted by cycleroad at 13:00│
Comments(2)