February 10, 2025

一歩を踏み出すための手助け

男女の間には不均衡があります。


近年、耳にすることの多いジェンダーギャップです。経済、教育、政治参加など社会のさまざまな分野で、男女の格差が厳然として存在しています。国によってもその程度は違いますが、世界各国の男女の不均衡を表すジェンダーギャップ指数で、日本は146か国中、118位となっています。

国によって、不均衡の理由には歴史や文化、宗教、慣習や社会制度などいろいろあるでしょう。経済・教育・政治・保健といった社会的な面だけでなく、もっと身近なところにも男女差は存在します。例えば、自転車に乗る人の割合です。日本でスポーツバイクに乗る人は圧倒的に男性が多いのは明らかでしょう。

Women on WheelsWomen on Wheels

ただ、日本の場合はママチャリが普及しており、ママチャリに乗る女性は多いので、自転車全体で見ると圧倒的な違いにはならないと思います。でも子どもの間では、男児と女児では自転車に乗りたがる割合には差があるので、性別によっての好み、性向の違いはあるようです。

女性が、あまり好きでないから自転車に乗らないのならば、それは好みの問題です。しかし、本当は乗りたいけれど言い出しにくい、周囲から特殊に見られる、女性はあまり自転車に乗るものではないといった社会の偏見がある、そう思い込まされているとしたら、それは不均衡を生む障壁ということになります。

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海外でも男女差は存在します。宗教や社会的な慣習などに大きく影響されるため、国によってもその差の大きさは違いますが、多かれ少なかれ男女の不均衡をもたらす背景があるようです。日常の移動手段としてだけでなく、近年はスポーツとして乗る人も増えていますが、依然として壁が存在する場合は少なくないようです。

自転車に乗ろうと希望すれば乗れるものの、その気がない、または最初から諦めている女性もいます。これまで、あるいは今も女性が自転車に乗るのが一般的と考えられていないため、乗るのに抵抗があったり、そもそも自転車に乗ったことが無い、乗れないので敷居が高い状態にある人もいるのです。

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オーストラリアでは、国の東西でも若干違うようですが男女差は小さくありません。子どもや青少年はともかく、ある程度の年配の女性の場合、今とは違って以前は、女性で自転車に乗る人が多くなかったことや、また社会的な慣習などから、自転車に乗ったことがない、乗れない人も少なくありません。

西オーストラリアはパースに住む、ある女性は、7歳の自分の娘が自転車に乗るのを嫌がったため、自転車教室に通わせることにしました。しかし、娘には、「お母さんも自転車に乗れないのに、なんで私は自転車の乗り方を習わなければならないの?」と言われました。

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「お母さんは、あなたの年齢で学ばなかったことを本当に後悔しているの。だからあなたには同じ思いをしてほしくないのよ。」と答えました。しかし、「お母さんも習えばいいじゃない。」と言われて返す言葉がありませんでした。自分が自転車に乗れないのは確かですが、今から習うなんて考えもしなかったのです。

実は西オーストラリアには、このような女性が少なくなく、特にある程度の年配以上で自転車に乗る人は明らかに少なかったのです。子ども時代に乗るような社会環境でなかったため乗れない人、あるいは子供の頃に多少は乗ったことはあるものの、もう何十年も乗っていないので自信がなく乗らない人もいます。

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パースなどでも自転車に乗る人はたくさんいますが、周囲で乗る人が男性ばかりのため、女性が乗り始めようとしても敷居が高いということもあります。自転車インフラの不足などの問題もありますが、なかなか女性で自転車に乗る人が少ないので乗り始めにくい環境もあったのです。

そこで非営利団体の、“WestCycle”は、昨年から“Women on Wheels”というプログラムを始めました。対象は自転車に乗ることに興味を持っている女性(トランスジェンダー、ノンバイナリーの人を含む)です。サイクリングの経験がほとんどない、または全くない人が自転車に乗れるようになるためのサポートをします。

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乗り方を教えるのは全て女性です。ですから参加の敷居は低く、身構えたり、どう思われるか気にする必要はありません。参加は無料、もしくは多少の実費程度で、自転車が用意できない人には練習用に手配することもします。全く乗れない人でも遠慮する必要はなく、徐々に慣れていく環境が整えられています。

乗り方を身体で覚えることに加え、メンテナンスや安全に走行するための知識、法令なども教えてくれます。さらに女性同士で乗るコミュニティもあります。乗れるようになるだけでなく、より安心して実際に乗るためのサポートもしているのです。

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娘に言われて習い始めた女性は、自転車に乗ることにワクワクし、次の練習が待ちきれないと話します。早く自転車に乗れるようになって、自転車で通勤することを目指しています。昔は乗っていたけど自信をなくしていた年配の女性は、自信と体力を取り戻し、自転車に乗る喜び、その楽しさを思い出したと言います。

現地の大学の研究者や専門家も、こうしたプログラムが年齢を問わず女性に力を与え、彼女たちの健康、交通手段の選択肢、そして共同体意識を向上させていると見ています。そしてこれは、男女間の不平等を減らし、多くの女性が経験する性別による障壁の一部を克服することを真剣に考えるのに非常にいい機会と指摘しています。

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ジェンダーギャップの存在する背景には、いろいろな理由があるでしょう。なかには、長年の慣習や固定観念のため、その障壁を意識していないことすらあるはずです。もちろん不均衡をもたらしている制度や慣習を修正していく必要がありますが、自ら一歩を踏み出し、障壁を打ち破る勇気も大切なのかも知れません。





◇ 日々の雑感 ◇

トランプ政権によるウクライナの戦闘終結巡る協議開始、両者の隔たりをどう埋めるのか簡単ではなさそうです。

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この記事へのコメント
cycleroadさん,こんばんは.

日本では1970年前後,サイクリング人気が本格化した当時でも女子の小中〜高校生向け多段ギヤ装備のサイクリング自転車は極めて僅かでした.ここに日本の自転車問題の根本の1つがあると思います.

現在でも通学用にスポーツタイプの自転車を禁止している中学〜高校が意外に少なくないらしいですが,これは同じ距離,高低差の通学路で多段ギヤ装備の所謂サイクリング車が1970年代初め頃には男子向けは比較的豊富だったのに対し,女子向けは多段ギヤ無しか,あってもせいぜい内装3段程度でしたから,こういう面での男子向けと女子向けの自転車で性能的な不公平を無くし,公平性を図らなければならないと学校側が考えたためとも推定されるものであります.

大体,日本の自転車業界自体が「スポーツ自転車なんて女の子の乗る物ではない」という禄でもない固定観念を持っていたために,女子の児童・生徒に適したより本格的な多段ギヤ装備の自転車の開発が全くと言って良い程行われず,1990年代に入ってMTB人気が本格化してからようやくスポーツ自転車の男女間格差が縮小傾向に向かったという印象を持っております.

この問題に関しては,いずれ当方のブログでも考察したいと考えているところですが,やはり女子児童・生徒にもより本格的なスポーツ自転車の扱い方・乗り方・走り方の適切な指導が必要であると思います.
Posted by マイロネフ at February 12, 2025 22:14
マイロネフさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

なんと言っても日本は146か国中118位ですから、大きなジェンダーギャップがあるのは確かです。社会的にも男女格差を生む慣習、考え方、固定観念、無意識の思い込みなどがあるのも明らかでしょう。

教育現場での自転車についての格差も、そうした点から考えれば当然の状況と言わざるを得ません。
女子児童本人も含め、無意識にも定着している固定観念をいかに打破していくのかがカギになるのではないかと思います。
Posted by cycleroad at February 13, 2025 11:46
 
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