世界中で販売されていて人気があり、メジャーで知名度の高いブランドから、あまり一般的でない種類の自転車、限定的な用途向けのモデル、マイナーでローカルな小規模工房で制作されているものまで、無数に存在します。もちろん、販売台数もピンからキリということになります。
自転車は水平分業で製造されたパーツを集めてつくられます。重要なパーツを製造するメーカーは限られており、世界的に供給するような大企業も多いですが、それにオリジナルのフレームを組み合わせれば、小規模な工房でも独自のモデルが組めるため、完成車のメーカーのほうが相対的に小さいという珍しい業界でもあります。

そのためもあって、新しいモデル、新しいブランドが登場するのは珍しくありません。当然ながら、メジャーなカテゴリー、例えばロードバイクとかマウンテンバイクなどだと、なかなか競争に勝つのは難しいですが、自転車の種類はたくさんあり、ニッチな分野、特定用途に特化したもの、今までにない種類のものなら十分成り立ちます。
フランス・パリを本拠とする新興メーカー、“
BELLEVILLE MACHINE”もそんな小規模メーカーの一つです。立ち上げた、Maxime Couve De Murville さんはフランス系デンマーク人で、15年前に個人で工房を開きました。その前は自転車でメッセンジャーをしていたという筋金入りの自転車好きです。

フレームビルダーとして仕事をしていたのですが、知り合いや得意客の注文でフレームを製造するだけでは商売に限界があると感じていました。営業活動をするにも、オーダーで自転車を組むような人は限られているため、売り上げ拡大は容易ではなく、現状を維持していくのさえ簡単ではありません。
そこで、請け負い仕事の工房から小規模でもメーカーへと転身し、注文での制作ではなく、オリジナルのモデルを販売したいと考えました。いきなり大手に対抗するのは無理ですから、ニッチな分野に特化して他と差別化するためのスタイルが必要です。そこで考えたのが、フォールディング・カーゴ・バイクです。

初の本格的な折りたたみ式のカーゴバイクという触れ込みです。フォールディングバイクとカーゴバイクのそれぞれは珍しくありませんが、両者を合わせた自転車というのは、たしかにあまり聞いたことがありません。かなりニッチと言えばニッチです。むしろ、そのような自転車が必要なのかと思ってしまいます。
でも考えてみれば、カーゴバイクとして乗れる一方で、折りたたんで列車や飛行機、クルマに積んで移動することが出来るわけです。カーゴバイクとして利用する場所が離れている場合、その間を列車などで移動したいこともあるでしょう。必ずしもその間を乗っていかずに、折りたたんで列車で移動できるのはメリットです。( ↓ 動画参照)
自転車で旅行するような用途も想定できます。動画のようにスーツケースをカーゴバイクに載せて移動し、駅からは双方を列車に乗せて移動するようなことも出来るようになります。ニッチと言えばニッチですが、この自転車があれば便利という人もいるに違いありません。
もともとカーゴバイクはホイールベースが長く場所をとるので、折りたためれば保管にも便利です。折りたたんだ状態では荷台が下になり、荷台の隅に4つの小さなキャスターがついているので、これで転がしていくことが出来るのもユニークです。


FOLdable CarGO-Bike の頭文字をとって、“
FOLGO”と名付けました。Maxime Couve De Murville さん(通称マックスさん)、ご多分に漏れず
クラウドファンディングサイトで資金調達を行い、すでに2024年の11月に目標金額を達成しています。
車体の重量は18キロ未満、最大積載量は100キロです。試作車で重い荷物を載せて何百キロもテストしており、元々フレームビルダーですから、強度や剛性には自信を持っています。油圧ディスクブレーキや高品質のパーツ類を採用しています。


3つのバージョン展開を予定しています。一つはストリートバージョン、メッセンジャーや通勤者など市街地で乗るのに最適です。グラベルバージョンは、非舗装路を含めた道路にも対応し、世界中を旅するのに適しています。もう一つはロードバージョン、舗装路で遠距離を走行するための軽量設計です。
畳んだ時の容積は、約50x70x90cmになります。これはEUのどの列車にも持ち込めるサイズです。現時点のプロトタイプではクロモリ製です。耐久性などで有利だからです。ただ、将来的にはチタン製の超軽量バージョンとカーボンホイールの採用も視野に入れています。


マックスさんは、長年フランスで工房を営んで来ましたのでフランス製にこだわりたいと思っています。フランスの製造業の持続を願っています。ただ、場合によってはフレーム生産を人件費の安い東ヨーロッパや、台湾でのOEM生産に移行する可能性も今のところ排除していません。
フォールディングのカーゴバイクとはなかなかユニークな着眼点です。無数に存在する小規模メーカーやビルダーの中には同様の製品があるかも知れませんが、あまり聞いたことがなく、かなりニッチなのは間違いないでしょう。でも、そのぶんニーズが埋もれている可能性もありそうです。

いま知名度の高いブランドだって、小さなフレームビルダーから発展してきたものがたくさんあります。パーツは標準のものがいくらでも使えるわけですから、コンセプト次第で新しいカテゴリーが確立されても不思議ではありません。今後も新しいブランドがどんどん登場してくるのは間違いなさそうです。
◇ 日々の雑感 ◇
トランプ大統領によるウクライナ停戦交渉の開始、人命損失を止めるために停戦が望まれますが武力侵攻による領土拡大を認める形になるのは世界的な秩序に影響する懸念があります。どのよう形になるのか注目されます。
Posted by cycleroad at 13:00│
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