February 28, 2025

根本的な解決策が求められる

先週とは一転してあたたかくなっています。


つい先日まで今シーズン最長の寒波が居座っていましたが、うって変わって3月から4月並という気温になっているところが多いようです。さて、そんな折りですが、今回は最近の自転車関連のニュースの中から、目についたものをいくつか取り上げてみたいと思います。


「放置自転車」大阪市職員が“不正撤去”4万台以上判明 期限待たずに撤去 防犯登録シールを剥がすことも



大阪市の職員が定められた7日間の期限を待たずに「放置自転車」を撤去するなどした問題。過去にさかのぼって調査したところ、「不適正な撤去」が4万台以上に上ることが分かった。

■「放置自転車」不正な撤去4万台以上判明

大阪市建設局担当課長:調査対象287万5526台のうち、4万1267台が規則期間未満であることが確認されました。大阪市では駅から半径300メートルの範囲などの「自転車放置禁止区域」では、即時撤去が行われているが、そうでないエリアでは、7日間以上放置されていることを確認したうえで自転車を撤去することになっている。

■職員が期限待たず自転車を即時撤去していたことが判明

しかし、十三工営所と中浜工営所で働いていた職員が、2000台以上について期限の7日間を待たず自転車を即時に撤去していたことが判明。そこで、データが残っている過去14年分を調査したところ、「不適正な撤去」が4万台以上あったことが新たに分かった。

■防犯登録シール剥がし、警察から情報提供求められるのを避けることも

さらに、警察から情報提供を求められるのを避けるため…
記者リポート:職員は自転車に貼られている防犯登録シールを剥がしていたということです。大阪市では「不適正撤去」に関わった職員の処分について検討し、期限前に撤去された自転車の一部については賠償するとしている。(2025年2月25日 FNN)


大阪では昨年にも同様の問題が持ちあがりました。その時も大阪市の担当部局は謝罪をしていました。全く同様の不法撤去が1年も経たずに問題になるとは、謝罪や反省は嘘だったのかと思わざるを得ません。バレなければと、また不法撤去を繰り返していたのでしょうか。昨年の2千台が4万台に激増しています。

昨年の報道を取り上げたブログの記事 → 何を考えてるのかわからない

大阪市もちろん、不法な迷惑駐輪がいいとは言いません。しかし、行政が決めたルール、すなわち即時撤去する該当エリア以外では7日間を経て撤去するとの決まりがあるのに、去年に続いて全く凝りもせずに法令の無視を繰り返していたことになります。

大阪市民も、自転車を放置したという負い目があったのでしょうけれど、ルールはルールです。行政が平気で法令違反をする、しかも1年も経たずに繰り返すのは異常です。もっと怒ってもいいのではないでしょうか。防犯登録シールを剥がす行為も繰り返しており悪質です。

撤去を担当する大阪市の建設局は、かなり昔からウェブサイトに『市民は自転車を使わずに歩きましょう。』と書いてきた部局です。自転車を目の敵にし、市民に自転車を使わせたくないという姿勢がにじみ出ています。ここの職員の指示とありますが意図したものなのは明らかでしょう。繰り返させないための抜本策が求められます。


60代県職員が甲府市内を自転車で酒気帯び運転か

酒気帯び山梨県の60代の再任用職員が23日夜、甲府市内で酒を飲んだあとに自転車を運転し警察の取り調べを受けていたことが分かり、県は今後、事実を確認したうえで処分を検討することにしています。

警察から取り調べを受けたのは、県総務部庁舎管理室に勤務する再任用の60代の男性職員です。県によりますと職員は23日午後11時半ごろに甲斐市内の路上を自転車に乗って移動していたところ、取り締まり中の警察官に呼び止められ、呼気から基準値を超えるアルコールが検出されたため、酒気帯び運転の疑いで取り調べを受けたということです。

職員は聞き取りに対し「1人で午後7時ごろから甲府市内の飲食店2軒で焼酎のお湯割りを4杯飲んだあと自宅に帰る途中だった」などと説明しているということです。また飲酒したあとに自転車を運転したのは今回が初めてだとして「罪の意識はあったが魔が差してしまった。大変なことをしてしまった」と話し、現在は自宅待機しているということです。

県は24日会見を開き人事課の三井幸治課長は「飲酒運転の根絶など繰り返し綱紀粛正の徹底を呼び掛けてきた中で、このような事案が発生し、誠に遺憾。事実が明らかになり法令違反などが確認された場合には厳正に対応を行う」と述べました。

自転車の酒気帯び運転は、去年11月に改正された道路交通法で新たに罰則の対象となり、県職員が摘発された事実が発覚したのは初めてです。県は今後、事実を確認したうえで、他県の事例などを踏まえ処分の内容を検討する方針です。(02月24日 NHK)



「罰則強化知らなかった」自転車を酒気帯び運転 男性消防司令補を停職1か月の懲戒処分=静岡・湖西市

知らなかった自転車を酒気帯び運転したとして、静岡県の湖西市消防本部に所属する消防職員が停職の懲戒処分を受けました。停職1か月の懲戒処分を受けたのは、湖西市消防本部の消防総務課に所属する男性消防司令補(37)です。

湖西市消防本部によりますと、消防司令補は2024年11月29日、静岡市内で飲酒した後、浜松市内の自宅の最寄り駅から自転車で帰る途中に警察官から職務質問を受け、アルコール検知で飲酒運転が発覚しました。消防司令補は書類送検されたのち、2025年1月に浜松簡易裁判所から罰金10万円の略式命令を受け、すでに罰金は納付済みということです。

自転車の飲酒運転をめぐっては2024年11月1日に改正道路交通法が施行され、5年以下の懲役また罰金100万円以下の罰則が規定されていました。男性司令補は湖西消防本部の調査に対し「自転車の酒気帯び運転の罰則強化を知らなかった」などと話しているということです。

また、市長が消防長を、消防長が消防総務課長をそれぞれ口頭注意しました。職員の不祥事に対し、湖西市消防本部は「職員一同、一層の綱紀粛正に努め、再発防止の徹底を図り、一日でも早く信頼を回復できるよう全力で取り組んで参ります」などとコメントしています。(2025年2月27日 SBS)


依然として自転車での酒気帯びによる検挙と懲戒処分が相次いでいます。2番目の記事の湖西市の消防署員は、罰則強化を知らなかったと話しているようですが、そういう問題ではないでしょう。法令遵守意識が薄いと言わざるを得ません。これだけ自治体職員などの摘発が相次いでいるわけで、全国的に綱紀粛正を図るべきです。


自転車「ながら運転」で死亡・重傷事故28件…昨年過去最多に、9割はスマホ見ながら

ながら運転自転車を運転中にスマートフォンなどを使う「ながら運転」による死亡・重傷事故が昨年1年間に28件あり、統計が残る2007年以降最多になったことが27日、警察庁のまとめでわかった。

増加は2年連続。スマホの画面に気を取られていたケースが9割で、若者の事故が多く、警察庁はSNSを通じた啓発や学校と連携した指導を強化する。

警察庁によると、28件のうち死亡事故は1件で、埼玉県内で昨年3月、40歳代男性がスマホの画面を見ながら運転し、道路の縁石に衝突したものだった。残る27件は重傷事故だった。状況別では、動画などの閲覧中が25件で9割を占め、残る3件は通話中だった。

昨年までの5年間に起きた死亡・重傷事故(114件)を年齢別でみると、19歳以下が最多の55・3%で20歳代が19・3%、30歳代が12・3%と続き、若い世代が大半だった。自転車の「ながら運転」を巡っては、昨年11月施行の改正道路交通法で罰則が強化された。事故を起こすなどすれば「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」が科される。

このほか、改正道交法で罰則が新設された自転車の「酒気帯び運転」による昨年の死亡・重傷事故は42件で、このうち22件が死亡事故だった。法改正後も、危険運転による自転車の事故は後を絶たず、警察は取り締まりを強化している。 昨年は自動車の「ながら運転」による死亡・重傷事故も前年比14件増の136件に上り、過去最多だった。(2025/02/27 読売新聞)


自転車に乗りながらスマホを使う、ながら運転を見るのは日常茶飯事ですし、事故も報じられています。やはり事故が最多となっていたようです。死亡・重傷になりえるわけで、もっと深刻に考え、やめるべきなのは明らかです。警察も取り締まりに加えて、もっと啓発にも力を入れるべきではないでしょうか。


自転車の単独事故、謎の急増 7年で3.5倍、専門家「普通でない」

謎の急増自転車の人身事故で、単独事故の届け出が急増している。自転車で転倒したり、壁にぶつかったりといった単独の事故は、自転車事故の総数が減っているにもかかわらず、2023年までの7年間で3.5倍になった。正確な理由は不明だが、あるサービスの広がりが一因の可能性があるという。

警察庁や交通事故総合分析センターのまとめでは、自動車やバイクを含む人身の交通事故の総数は23年に全国で約31万件発生。そのうち約7万2千件が自転車の事故だった。このうち、最も多かったのが自動車や自転車とぶつかった事故で約6万4千件。次いで単独事故が5497件、人とぶつかった事故が3208件だった。

人口減の影響もあり、交通事故の発生は減っている。自転車事故も例外ではなく、23年までの10年間で発生数は3分の2になったほか、死者も14年の540人から23年には346人になった。

ところが、自転車事故のうち、単独事故の発生が16年を境に一転して増え始めたことが、警察庁などのデータから分かった。発生数は、09年の4372件から16年に1559件まで減っていたのに、17年に1626件と増加に転じ、20年には2958件、23年には5497件になった。7年間で3.5倍になった計算だ。

ただ、増えているのは軽傷の事故ばかりで、用水路に転落するなどして死亡したり重傷を負ったりした重大事故は09年の1249件から23年の482件へと減っている。

交通事故総合分析センターの河口健二主任研究員は「人口減で自転車の利用者数が減るなか、単独の、しかも軽傷の事故ばかりがこんなに増えるのは普通ではない。コロナ禍による一時的な現象かと思っていたが、その後も増え続けていることに驚いている」と話す。(以下略 2025年2月23日 朝日新聞)


自転車の単独事故が謎の急増とあります。たしかに3.5倍は異常でしょう。転倒したり壁に激突したりというのは起こりえるとしても、急増するようなものではないと思います。デリバリーの自転車との指摘もされていますが、それらも含め、やはり全体としてスマホのながら運転が背景にあるのではないでしょうか。


埼玉 久喜市などで 自転車狙いのひったくり事件 4件相次ぐ

ひったくり26日夜、埼玉県久喜市などで自転車のかごに入れた荷物を狙ったひったくり事件が4件相次ぎました。埼玉県内では3日前からスクーターの2人組による同じような手口の事件が相次いでいて、警察が関連を捜査するとともに、注意を呼びかけています。

26日午後7時55分ごろ、埼玉県久喜市吉羽の路上で、自転車で帰宅途中だった40歳の女性が、スクーターで後ろから近づいて来た2人組に、後ろかごに入れていた現金8万円などが入ったリュックサックをひったくられました。

その3分ほどあとには、およそ900メートル離れた久喜市久喜東の路上で、23歳の女性が同じように自転車の前かごに入れていたリュックサックをひったくられました。
また、

▽午後7時半ごろには、幸手市栄で、自転車に乗っていた男性が
▽午後9時すぎには、さいたま市北区でも自転車に乗っていた男性が、ひったくりの被害にあいました。
いずれの事件もけがをした人はいなかったということです。警察によりますといずれも、

▽黒っぽいスクーターに乗っていて、
▽自転車のかごに入れた荷物を狙う手口だったほか、
4件のうち3件は2人組だったことがわかっているということです。埼玉県内では3日前から似たようなスクーターの2人組による自転車を狙うひったくりが相次いでいて、警察が関連を捜査するとともに、注意を呼びかけています。(02月27日 NHK)


埼玉では、自転車の前カゴからのひったくりが増えているようです。今回は埼玉だけなので、ローカルな現象、または同一犯による犯行なのかも知れません。以前、全国各地で発生していた際には、前カゴのひったくり防止ネットが防犯に有効とされました。最近は使っている人が減ったことも背景にありそうです。


【独自】計画的犯行か…2人組の“自転車乗り継ぎドロボー” 「手慣れた姿にイラッ」“ママチャリ”捨て総額約30万円のマウンテンバイクに乗り換え 埼玉・志木市



なぜか乗ってきた自転車を乗り捨て止めてある自転車に乗り換え去っていく男の姿。埼玉・志木市で、指示役と実行役に分かれたとみられる、2人組による犯行の様子をカメラが捉えました。

1月19日、午後10時過ぎ。駐輪場に現れたのは、黒いダウンを着てたばこをふかし自転車に乗る男。すると…。

自転車を盗まれた被害者:“ここに自転車があるぞ”みたいに指さしして…。

男が指さした先、そこには撮影者の自転車があったのです。そして、男が合図をした直後でした。仲間とみられる男が自転車に乗って現れたのです。この映像を見た撮影者は「“指示役兼見張り役”“実行役”役割に分かれていた」と推測します。

最初に来た男は“指示役兼見張り役”として“実行役”の男に自転車の位置を指示していたとみられ、まるで「闇バイト」のような組織的な動きだと感じたといいます。そして実行役の男は乗ってきた自転車を止めると、瞬く間に撮影者の自転車に乗り換えました。

自転車を盗まれた被害者:あまりにも計画的だったんで、手慣れた姿にイラッとした。

男性によると、狙われた自転車は総額が約30万円に上るマウンテンバイク。そして、乗り捨てられていたのは“普通のママチャリ”だったといいます。その様はまるでわらしべ長者ならぬ“わらしべ泥棒”。被害者は「仕事に行く手段を失ったので、タクシーや公共交通機関を使う手段となりかなり困ります」と話しました。男性は被害届を提出。警察は窃盗事件として捜査しています。(2025年2月25日 FNN)


わらしべ泥棒とは面白いネーミングですが、獲物を物色するための移動にまずママチャリを盗み、犯行後に逃亡する時には乗り換えるということでしょう。数珠つなぎのグレードアップではないと思います。犯行現場までのアシに自分の自転車を使うはずもないので、単に広範囲に物色するための行動だったものと思います。


車対自転車の対立問題をイーデザイン損保が調査 レポートと動画を特設サイトで公開

車対自転車東京海上グループのイーデザイン損害保険が、自転車の交通事故関与率が増加している実態を踏まえ、同じ車道を走る車ユーザーと自転車ユーザー計500人を対象とした「車と自転車の交通ルールを巡る対立意識調査」を実施した。

この調査では、車と自転車、互いの約8割が「相手にもっと配慮してほしい」と回答し、車対自転車の対立問題が明らかになった。

イーデザイン損保の特設サイト上で、この調査のレポートとともに、調査テーマである「車と自転車のそれぞれの主張」を描いたプロジェクトムービー「〜本音の交差点〜CAR vs BICYCLE」が公開されている。

調査結果 主要ポイント 車と自転車の対立意識が判明

車と自転車の互いの約8割が「相手に配慮してほしい」「もっと事情を理解してほしい」と回答。さらに、車ユーザーと自転車ユーザーに対して、相手にやめてほしいと思う運転を聞いたところ様々な声があがった。

車対自転車

車の幅寄せ左折=“ビタ寄せ運転”に自転車の安全に配慮した車側の運転事情が判明

車が幅寄せ左折をする理由は「自転車を巻き込まないようにする」が最多。

車対自転車

自転車のはみ出し運転=“膨らみ運転”に安全に配慮した自転車側の運転事情が判明

自転車がはみ出し運転をする理由として「歩行者との接触回避」「路肩の障害物回避」が上位。

車対自転車

背景

近年、交通事故全体に占める自転車の交通事故関与率は増加傾向にあり、自転車による交通事故削減のための法整備が進んでいる。自転車の交通事故が社会課題化するなかで、自転車の交通マナーについて注目が集まり、SNS上では、車対自転車どっちが悪い論争が白熱している。

このような実態を踏まえて、車と自転車のリアルな不満と運転事情を明らかにすべく、事故削減につながるさまざまな取り組みをしているイーデザイン損保はアンケート調査を行ったという。この調査により、双方の不満と事情を明らかにし、相互理解を促すことを目的としている。

専門家のコメント:東京海上ディーアール 主席研究員/慶應義塾大学大学院 北村憲康教授

車と自転車は、同じ道路スペースを混交し、互いに接近していることが多いものです。車と自転車は互いに危険と察知しなければならない関係というわけです。危険回避の鉄則は、危険から自ら離れることにあります。はみ出す自転車のために車が自ら減速する、強引な追い越しをかける車のために自転車が自ら左へ寄るということです。接近を感じて危険センサーが作動するまではできると思いますが、そのあとの自ら回避を行うコツは、3秒先の自分を想像してみることです。

危険センサー作動と同時に怒りのセンサーも作動し、アクセルを踏み込んだり、車と並走したりしたら…きっと後悔するのは自分自身なのです。車と自転車の混交時は、お互いに危険回避を第一として、危険センサーと3秒先の自分を想像する習慣をつけてみましょう。さらに、その後、検証してみてください。アクセル操作を続けたことに後悔する日は来るかもしれませんが、ブレーキ操作をしたことに後悔することはないでしょう。

車対自転車問題の解消を目指すウェブ動画「〜本音の交差点〜CAR vs BICYCLE」

調査結果を踏まえ、互いに自らの運転が相手にとって危険、迷惑になる可能性を自覚し、路上で出会う相手がどのような事情があるのか想像し譲り合うことが、事故のない世界の実現の第一歩だとイーデザイン損保は考えた。そのため車と自転車のすれ違いを埋める特設サイトと、プロジェクトムービーとして「?本音の交差点?CAR vs BICYCLE」公開した。

ストーリー:路上では、言葉を交わすことが難しい、自転車ユーザーと車ユーザー。今回の撮影では、仕切りとボイスチェンジャーのある環境で、両者が思い切り議論できる場を用意した。互いに噴出する、相手側の運転への不満や日頃の鬱憤。議論はヒートアップし、自転車、車、どちらも譲らないまま平行線をたどる。そのとき、2人を隔てている仕切りが外れ、議論をしていた相手と対面……。他人だと思っていた議論相手は、実は、誰よりも大切な家族だった。相手との関係性が変わることでどのように考えが変わるのか?

調査結果

1.車対自転車 対立意識の実態

互いの約8割が、「相手に自分の運転事情を理解してほしい」と回答 車ユーザーは自転車に対し、「車側の事情をもっと理解して運転してほしい(82.0%)」と回答。一方で自転車ユーザーは車に対し、「自転車側の事情をもっと理解して運転してほしい(81.6%)」と回答。このように、相手に自分の運転事情を理解してほしいと感じていることが明らかになった。

車対自転車

互いの約8割が、相手に「もっと配慮してほしい」と回答

車ユーザーは自転車に対し、「車に対する配慮が不足している(78.4%)」と回答。一方で自転車ユーザーは車に対し、「自転車に対する配慮が不足している(78.0%)」と回答。このように、相手の配慮不足を感じていることが明らかになった。

車対自転車

2.危険、迷惑運転の背景にある運転事情
車の左折前の「ビタ寄せ運転」

画像のように、交差点で車が左折をするときに左側に寄せる「ビタ寄せ運転」。自転車ユーザーの77.6%が危険、迷惑だと感じたことがある一方で、車ユーザーの60.8%がこのような運転をすることがあると回答。このような運転をする理由として「左折時に自転車を巻き込まないようにするため(67.2%)」と回答し、自転車の安全に配慮する車側の事情が明らかになった。

車対自転車

狭い路地でのプレッシャー追走

狭い路地で車が自転車を追い越せず、後ろについて走行する「プレッシャー追走」。自転車ユーザーの80.0%がプレッシャーや早く追い越してほしいと感じたことがある一方で、車ユーザーの64.8%がこのような運転をすることがあると回答。車がプレッシャー追走をする理由として「路地が狭くて追い越すのが危険だと思ったから(50.4%)」「自転車を追い越すタイミングを見計らっていた(42.4%)」と回答し、自転車の安全に配慮する車側の事情が明らかになった。

車対自転車

自転車の「膨らみ運転」

自転車が、車道側に少し膨らんで走行する「膨らみ運転」。車ユーザーの75.6%が危険、迷惑だと感じたことがある一方で、自転車ユーザーの69.6%がこのような運転をすることがあると回答。自転車がこのような運転をする理由として「歩行者との接触回避(54.0%)」「路肩の障害物回避(42.4%)」と回答し、自転車側の事情が明らかになった。

車対自転車

自転車の「スキマすり抜け」

自転車が、信号待ちで車の左側をすり抜け前に出ようとする「スキマすり抜け」。車ユーザーの73.2%が危険、迷惑だと感じたことがある一方で、自転車ユーザーの66.8%がこのような運転をすることがあると回答。自転車がこのような「すり抜け」運転をする理由として「車の死角に入り、左折時に巻き込まれることを避けるため(40.0%)」と回答し、自転車側の事情が明らかになった。

3.車対自転車 相手にやめてほしいと感じる運転
車と自転車の運転手に対して、相手にやめてほしいと思う運転を聞いたところ下記のような声があがった。

自転車:
「かなりギリギリの距離で追い越しする、スピードを緩めない運転をやめてほしい」
「自転車が軽車両であって車道を走行するものだと理解せず、邪魔者扱いしないでほしい」
「お店が立ち並ぶ国道などで車道に出る車が歩道を塞がないでほしい」

車:
「自動車の存在がないかのように避けることもせず、自由に動き回るのは危険なので絶対にやめてほしい」
「車道側を自転車が運転していることがあり、動きが予測できないので不安になる」
「どうせまた抜かされるのに信号待ちのたびに抜いてくる自転車は迷惑」

「『こういう運転はやめてほしい』と思うことがあれば具体的に教えてください。」という質問の回答から抜粋(2025.02.26 Cycle Sports)


自転車に乗る人とクルマのドライバーの、お互いに対する反感というのは今始まったことではなく、以前から明らかだったと思いますが、それを調査した結果が掲載されていました。概ね予想された内容ですが、お互いがどう感じてるかを周知することには意味があります。双方の理解を深める方法を考えたいものです。


特設サイト





子どもの自転車事故で人生終了? 10歳児童「過失100%」判決が示す高リスク社会! 過去には9500万円賠償ケースも

賠償責任自転車事故の増加が社会的課題となっている。2023年の自転車関連交通事故は7万2339件に達し、全体の23.5%を占めた。未成年者の事故も多く、親の監督責任が問われるケースが増えている。

兵庫県での判決では「自転車側の過失100%」が認定され、保護者の指導と保険加入の重要性が浮き彫りになった。損害賠償は数千万円規模に及ぶ例もあり、自転車利用者のリスク管理が急務となっている。

親としての賠償責任

東京都交通安全協会(東京都中野区)のウェブサイトによると、小学校高学年(11〜12歳)以下の子どもは「事理(道理)を弁識する能力のない者(責任無能力者)」に該当し、未成年者の監督責任者である親に損害賠償責任が生じるとされている。

また、未成年の責任無能力者を監督する親は、交通事故そのものの責任を負うのではなく、「監督を怠った責任」に基づいて損害賠償義務が発生するとも説明されている。これは民法第714条に定められた規定であり、親には法的責任があるということだ。

小学生が自転車事故を起こした場合、責任は事故を起こした本人だけでなく、親権者にも及び、損害賠償義務が発生する。そのため、保護者は子どもが事故を起こさないよう、日頃から監督責任を果たす必要がある。では、こうした事故を防ぐために、どのような対策を講じるべきなのか。

親が子どもに注意すべきこと

兵庫県西宮市で発生した事故は、児童の不注意が原因だったが、適切な注意を払っていれば回避できた可能性が高い。保護者には、日頃から交通ルールを守る重要性や、安全な自転車の乗り方を指導する責任がある。しかし、このケースでは十分な指導が行われていなかったため、事故につながってしまったと考えられる。

賠償責任事故が起きたのは、信号機が設置されているものの見通しの悪い交差点だった。こうした環境では、自転車もクルマも信号を守ることが前提であり、進行方向の信号が青になったとしても、細心の注意を払って交差点に進入する必要があった。

実際に事故に遭ったクルマの運転手は、青信号を確認した上で、アクセルを踏まず徐行して交差点に進入した。しかし、そこへ赤信号を無視した児童が自転車で飛び出し、クルマと衝突してしまった。幸いにも、クルマはほぼ停止状態だったため、児童はケガを負わずに済んだ。しかし、もし運転手が見通しの悪さを考慮せずスピードを上げていたら、重大な事故につながっていた可能性がある。

判決では、クルマ側に過失はなく、自転車側の過失が100%と認定された。その根拠となったのは次の点だ。

・クルマは交差点手前で減速し、徐行していたこと
・児童は自転車を歩道上で徐行せず、信号を確認していなかったこと
・交差点の見通しが悪く、クルマ側は赤信号を無視した自転車が飛び出してくることを予測できなかったこと

さらに、ドライブレコーダーの映像から、児童が歩道上で徐行していなかったことや、信号が赤だったことが確認された。その結果、クルマの過失は認められず、自転車側に過失100%の判決が下された。

この事故は、児童が信号を守っていれば防げた可能性が高い。保護者には、子どもに自転車の危険性をしっかりと伝え、安全に乗るための指導を徹底する責任がある。

自転車事故に対して備えられること

日本損害保険協会のウェブサイトには、「判決認容額」(裁判で加害者に支払いを命じられた金額)と「事故の概要」が掲載されている。

賠償責任その中には、男子小学生(11歳)が夜間に自転車で走行中、歩行中の女性(62歳)と正面衝突した事故の事例がある。この事故で女性は頭蓋骨折などの重傷を負い、意識が戻らない状態となった。判決で認められた損害賠償額は9521万円にのぼる。

他にも9330万円、9266万円といった事例があり、自転車事故であっても被害の大きさによっては数千万円の賠償金を支払わなければならない。未成年であっても、その責任から逃れることはできない。

自転車には事故に備えた保険があるが、自動車事故とは異なり、被害者救済のための自賠責保険が存在しない。そのため、自転車事故の損害賠償責任は「個人賠償責任保険」で補償され、自分自身のケガは「損害保険」によってカバーされる。それぞれの保険に加入する必要がある。

近年、自転車事故は増加傾向にあり、各保険会社から補償内容や保険料、加入方法が異なる多様な保険商品が提供されている。そのため、自転車に乗る際には、自分や家族に適した保険を選ぶことが重要だ。また、子どもには交通ルールを改めて確認させ、自転車でも加害者になり得ることをしっかりと伝えるべきだろう。

たとえ親が十分に注意を促していたとしても、子どもがつい危険な運転をしてしまうことはあり得る。しかし、万が一の事故が起きてからでは遅い。日頃から交通ルールを徹底させることはもちろん、大人自身も模範となるような運転を心がけることで、自転車事故の発生を少しでも減らすことにつながるはずだ。(2025.2.22 Merkmal)


こちらもニュースではありませんが、過去に起きた事例を挙げて、子どもが自転車での事故の加害者になった場合、多額の賠償責任を負う可能性があることを指摘しています。自転車の賠償責任保険は共済や他の保険の特約などを含めいろいろなものがあり、安い金額で加入できるものも多いので検討すべきだと思います。


シェアサイクルサービス『チャリチャリ』、ビッグデータ解析を活用した名古屋市の自転車専用レーンの効果検証を実施

持続可能な都市交通の実現を目指す社会実証プロジェクト

効果検証シェアサイクルサービス『チャリチャリ』を運営するチャリチャリ株式会社(本社:福岡市中央区、代表取締役社長:家本 賢太郎、以下「チャリチャリ」)は、名古屋市「Hatch Technology NAGOYA」課題提案型支援事業において、株式会社長大(本社:東京都中央区、代表取締役:野本 昌弘、以下「長大」)とともに、シェアサイクルの走行記録を集めたビッグデータ解析を活用し、名古屋市が整備を進める自転車走行空間の効果や課題について評価検証を実施しました。

広範囲での自転車の利用実態を効果的・多角的に調査するという全国で例を見ない実証となっており、この度、実証内容に関する説明会に実証事業者として参加しました。

■プロジェクト概要

名古屋市では、安全で使いやすい道路空間の実現のため、自転車通行空間の整備が進められています。今後概ね10年かけて自転車通行空間について約110kmを整備する計画がある中で、整備された空間がどの程度利用されているか、また名古屋市民が快適に安全に自転車を利用できているかの検証が課題となっています。しかし、現状では市職員が手作業で通行量の調査・検証を行っており、業務負荷が高く、調査範囲も限定的で、リアルタイムでの計測も困難な状態となっています。

そこで、本プロジェクトでは、チャリチャリが持つシェアサイクルの走行データを活用し、長大のビッグデータ・交通解析技術により、自転車通行空間の利用実態の可視化に取り組み、整備効果の検証を行いました。シェアサイクルの位置情報データを活用した広範囲での整備効果の検証は、全国で例をみない実証です。

分析の結果、整備後の自転車通行空間では利用者数が増加し、走行速度などのデータから快適性が向上していることが明らかになりました。この手法は、自転車通行空間の効果を客観的に評価できるだけでなく、今後の整備計画への活用可能性がみえました。今回得られた成果を活用することで、自転車を活用した持続可能な都市交通の実現を目指してまいります。(中略)

■まとめ

本実証実験において、チャリチャリの走行データを活用し、自転車の利用実態調査を実施しました。長大のビッグデータの解析技術を用いることで、大規模なデータを効率的に分析することができました。従来の手作業による調査と異なり、現地に赴かなくても調査が可能なこと、調査地点や調査期間についての幅が広がるなど、データ解析技術を活用することの利点を見出すことができました。

得られた解析結果は、路線ごとの詳細状況評価に用いることが可能であり、自転車通行空間の整備効果検証に有用であることが示されました。さらには、安全性をはじめとする自転車通行空間のサービスレベルの可視化などについても応用できる可能性がみえ、今後の可能性が大いに期待できる結果となりました。

これらの結果が、今後の整備計画の根拠となる分析基盤となりうるかについて、今後もチャリチャリの走行データや知見を活かし、名古屋市、長大とともに、安全で使いやすい道路空間の実現、ひいては自転車を活用した持続可能な都市交通の実現を目指し、検証を進めてまいります。(2025年2月20日 PR TIMES)


こちらもプレスリリースですが、シェアサイクルのサービス会社が利用者のデータを分析して自転車レーンの効果を検証するそうです。欧米では既にこの手の試みが行われており、このブログで何度も取り上げてきましたが、ようやく日本でもデータを使い、自転車インフラを目を向ける動きが出てきたと言えそうです。





◇ 日々の雑感 ◇

トランプ大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領を「独裁者」と繰り返し呼んだ映像も残っているのに、「私がそんなことを言ったのか?そんなことを言ったなんて信じられない」としらを切って平気でいられるのが強いですね。

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この記事へのコメント
cycleroadさん,こんにちは.

放置自転車の駆除は確かに厄介な問題ではあります.しかし何故それが減らないか.最大の理由はそれを使っている人々が時間を節約したいためです.

放置自転車が目障りだから歩けと当局者に主張されても,徒歩だけでは効率(タイパ)が悪過ぎ,間に合う所も間に合いません.普通,1日に何十kmも歩き回る人がいますか?

自転車は貧困層の乗り物で苦痛,非能率な時代遅れの役立たずという,実用自転車オンリーの時代の固定観念からいつまでも脱却できずにいるから,市内あるいは地域間交通の中で自転車の機能をどう活用するかという知恵が全く浮かんできていません.

仮に,放置自転車の山が増えると困るから自転車専用レーンは造らないという考えがあるとすれば,それはとんでもない事です.危険や不自由を一方的にしわ寄せして歩行者と一緒に弱者らしくしろとばかりの自転車政策には私も我慢がなりません.
Posted by マイロネフ at March 02, 2025 11:29
マイロネフさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

観光振興策として自転車のまちを宣言する地域は非常に増えている一方で、放置自転車に対しては目の敵にする自治体は少なくありません。

ヨーロッパなどと比べ、自転車そのものに対する概念や実用性、ポテンシャルなどの理解が進んでいないという背景があるのは事実でしょう。

自転車が都市部では渋滞するクルマより速く、実用的で環境負荷の小さい移動手段だと実感しないのは、最終的には自転車の歩道走行にあると個人的には思っています。

自転車の歩道走行と放置自転車の問題、一見離れているように思えますが、自転車を遅くて使えない、駅まで以上の遠くへ行ける移動手段と思ってないのは、やはり歩道走行に問題があると思います。
Posted by cycleroad at March 03, 2025 11:30
 
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