ロボットとひと口に言っても、産業ロボットから、お掃除ロボット、ヒト型ロボット、人を癒すペット型ロボット、配膳ロボット、軍事ロボットまでいろいろな分野で多種多様なロボットが開発され始めています。このブログでは自転車のロボットを数多く取り上げてきました。
一例を挙げるなら、自動で走行するロボットです。無人で自律走行するロボット自転車があれば、例えばシェアサイクルを任意の場所へ呼ぶようなことも出来ます。使い終わったら自動で拠点へ帰るようにすることも可能でしょう。シェアサイクルが拠点ごとにだんだんと偏在してしまう問題を解決するかも知れません。( ↓ 動画参照)
自転車をロボット化するというアイディアは誰もが思いつくところなのでしょう。世界各国で多くの企業や団体が開発して発表をしています。無人の自転車が自動で走行していれば、最初は驚きますが普及する可能性がないとは限りません。ただ、最近はもう少し違う方向性の開発も見られます。
例えば、上海のハイテク企業、
AgiBot(上海智元新創技術)が発表したのは、自転車に乗れるロボットです。自転車のロボットではなく、普通の自転車に乗れるヒト型ロボットです。二足歩行するロボットは珍しくなくなってきましたから、次の段階として自転車に乗れるロボットが出てきても不思議ではありません。
ヒト型ロボットは、いろいろな用途に使われることが想定されます。人間に近い動きが出来るので、いろいろな作業が可能ですし、工場などだけでなく、家庭で家事などをやるロボットが普及することも十分考えられます。もしかしたら、必要な時だけ自転車に乗って通ってくるようになるかも知れません。( ↓ 動画参照)
自転車とロボットが一体化した機械を開発した団体もあります。
Robotics and AI Institute という研究所が開発した、“
Ultra Mobile Vehicle”です。動画を見ると、その動きに驚きます。今のところ具体的な応用例が想定されたものではなく、純粋な研究目的で開発されたそうです。

ロボットをより賢く、より機敏で、より器用で、一般的に使いやすく、より役に立つものとする過程で、移動方法を二足歩行ではなく車輪にする選択肢はあるでしょう。驚くのはジャンプするなど、その運動性能の高さです。これなら、BMXのフリースタイルの大会にも出られそうです。( ↓ 動画参照)
具体的にどのような民生用に発展していくのかわかりませんが、二足歩行するより速く移動できるロボットとしての可能性はありそうです。単に道路を自動走行するだけでなく、障害物があれば飛び越えたり、停止してもバランスをとるなど、高度な運動性能を発揮するのでしょう。

日本の
川崎重工も、“
CORLEO”というロボットを発表しました。水素燃料で稼働する四足歩行バイオニックロボットです。四足歩行ですから、もはや自転車ロボットとは言えませんが、新たなモビリティとしての可能性を秘めています。街中の移動ではなく、オフロード・モビリティとなる可能性があります。
カワサキと言えばオートバイのメーカーとして有名ですが、その技術と水素燃料の技術、そしてロボット工学を統合しています。動画を見ると、その機動力の高さに驚きます。機械の馬、馬型ロボットという印象です。もちろんまだ動画はCGで、コンセプトモデルですが、まさに乗馬しているように移動しています。
これならばMTBなどでは走行が困難な場所や山岳地帯の登坂なども可能ということになりそうです。水素エンジンで発電して動くので、温暖化ガスも排出しません。オフロード用のオートバイよりも走破性能の点で優れ、今まで困難だった場所へも簡単に行けるようになるのかも知れません。( ↓ 動画参照)
私も『普通の馬での』乗馬は何度もしたことがあります。自転車と違ってペダルをこがなくても進んでくれるというラクさもありますが、馬は自律的に走行してくれるという点が、とってもラクです。平坦な直線の場所はもちろんですが、地面が凸凹で斜度のある斜面でも自分で上り下りしてくれます。
自分でMTBで下るとすれば、どこを通るか、どうスピードを制御したり、飛び越えたりするかなど細かく判断しながらハンドルやブレーキを操作する必要があり、凸凹の多い場所では気を使うでしょう。しかし馬ならば、悪路の坂などでも、何もしなくても勝手に上り下りてくれます。見ていなくても大丈夫です。これはラクです。
もちろん手綱は握り、必要に応じて進んだり止まったりなどの指示は必要ですが、滑ったり転んだりしないよう、馬が判断し歩行してくれます。生き物ですから当たり前ですが、MTBで道なき道を行くような場合と違って、このラクさは馬での移動のアドバンテージでしょう。
この“CORLEO”はまだコンセプトモデルであり、どの程度、自律的に走行するようになるのかわかりません。ただ将来的にロボットとして自分で判断して自律走行してくれるならば、オフロードのモビリティとしては画期的に便利になるのではないでしょうか。いま開催中の大阪関西万博でも展示されているようです。
ロボット技術は着々と進化しています。将来は自動制御・自動走行が当たり前になり、車輪か四足歩行かは別として、広い意味での「ライド」体験も多様化していくのでしょう。未来のモビリティという点でも、ロボット技術は従来の常識を大きく覆していく可能性がありそうです。
◇ 日々の雑感 ◇
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Posted by cycleroad at 13:00│
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