October 14, 2025

基本だけでは差別化できない

前々回はヘルメットについて取り上げました。


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ヘルメット本来の役割、すなわち頭部の保護性能をより高めるため、各メーカーや研究者が常に改良、革新を続けているという話でした。ただ、実際の製品は頭部の保護性能の高さで選ばれるとは限りません。むしろ頭部の保護は当たり前のこととして、ほかの特徴や付加価値で選ばれる場合が少なくないでしょう。

いくら保護性能に優れたヘルメットを製品化しても、メーカーとしては売れなければ仕方がありません。もちろん営利企業ですから、利益も重要です。単に安さを打ち出して価格競争をするのは避けたいはずです。そこで、何かしら特徴をアピールしたり、他との差別化を図る必要が出てきます。

Echo ProEcho Pro

単に差別化と言っても、いろいろな考え方があります。ひたすら頭部の保護性能を前面に打ち出すメーカーもあるでしょうし、便利さや付加価値を強調する戦略もあるでしょう。そこで数多くの製品が競合することになります。今回は、その戦略を見てみたいと思います。

最近多いのが、電子的な機能を盛り込んだヘルメットです。例えばこちら、headfirst helmets の、“Echo Pro”は、デザイン性の高さと、頭にぴったりフィットすることの重要性を打ち出すとともに、後部にブレーキライトを搭載することで、後続車からの追突を防ぐという機能をアピールしています。

Echo ProEcho Pro

モーションセンサーによって減速すると自動で点灯するので、いちいち自分で操作する必要はありません。後続車からの視認性を高める役割も果たしています。最近は、このような電子的な機能を搭載して付加価値をつけるメーカーが多くなっています。ほかにも耐久性やリサイクルによる環境性能も特徴としています。

Closca LOOP
Closca LOOP


LUUP 社の“Closca LOOP”は折り畳み式が最大の特徴です。実際に使用することを考えると、着用していない時の持ち運びという面も無視できません。コンパクトになることで、バッグに入れて持ち運べることに魅力を感じる人も多いはずです。頭部の保護性能を備えていることも強調しています。

Closca LOOP
Closca LOOP


頭部の保護性能だけを考えれば、折り畳み式でないほうが優れているでしょうが、実用性も考える人は多いに違いありません。簡単にたたんで半分ほどの大きさになるというのは大きなアドバンテージです。軽量さや通気性、フィット性などもアピールしています。

SENA 社の“S1”は、内蔵スピーカーとマイクを搭載していることが大きな特徴です。他のサイクリストとハンズフリーで簡単にコミュニケーションをとることが出来ます。最大900メートル離れていても接続できます。これもグループで走行することの多い人には便利な機能でしょう。

SENA S1
SENA S1


イヤホンと違って耳をふさがないので、周囲の音も認識できます。Bluetooth で手元のスマートフォンと接続することも出来るので、いろいろな使い方もできるでしょう。そのほかLEDのテールライトや、空力性能に優れたデザイン、快適なフィット感なども特徴として挙げています。

そのほかにも、このような電子的な機能を搭載したヘルメットはたくさんあります。これまでにも取り上げてきましたが、例えば衝突を検知して通報するシステムなどもあります。もしオフロードを単独走行していて、何かの理由で自分で助けを呼べないような場合には命綱となるでしょう。

SENA S1
SENA S1


バックライトだけでなく、ウィンカー機能を搭載するものもあります。手元のスマートフォンと接続することで、GPSをはじめとする様々な機能が利用できますので、多様な特徴を持つヘルメットが開発されています。挙げたらキリがないほどです。

wyndwynd

少し変わったところでは、こちらはジェネレーターになるヘルメット、“wynd”です。夜間走行にライトは必需品ですが、いざ使おうと思ったら電池切れ、バッテリー切れという経験をした人もあるに違いありません。そのような時にヘルメットで充電ができるという機能です。

wyndwynd

クランクが内蔵されていて、それを回すことで発電出来ます。30秒回すだけで、最大30分間の点灯が可能になるとしています。まだ販売に向けて準備中で、まもなく開始となっていますが、これが製品化されれば、災害などで停電した時にも重宝するかも知れません。



もっと違った発想をするメーカーもあります。ヘルメット本体のメーカーではありませんが、こちらは、ヘルメットに「耳」をつけることが出来る“Helmet-Flair”です。電子的な収音器などではありません。耳の形をしたアクセサリーです。「角」もあります。ヘルメットの機能としては全く無意味ですが、見た目をかわいくすることが出来ます。

Helmet-FlairHelmet-Flair

街中や遊園地などで耳付きのカチューシャを頭につける人がいますが、それに似ています。かわいく見えるからです。ヘルメットの機能というより、カワイイことに価値を見出す人もいます。子どもは喜びそうですので、ヘルメットを着用させるのに役立つかも知れません。

接着剤や磁石など取り付け方はいくつか用意されており、自転車用だけでなくオートバイ用や他のスポーツ用のヘルメットなど何にでも取り付け可能です。全く意味を見いだせない人もいると思いますが、遊び心に飛んだ人にはアピールするアクセサリーかもしれません。

Helmet-FlairHelmet-Flair

ヘルメットに限ったことではないと思いますが、基本性能、必要な要素だけを追求して開発すれぱいいとは限りません。頭部の保護性能は、なかなか目に見えない部分でもあります。保護性能に優れていても売れなければ意味がないわけで、商品開発は簡単ではありません。これだけ多様な種類があるのも必然なのかも知れません。





◇ 日々の雑感 ◇

ハマスに拘束されていた人質が解放されましたが和平に向けた武装解除など第2段階は簡単ではなさそうです。

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