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いくつかありますが、カーゴバイクもその一つでしょう。荷物を運ぶのに適した自転車です。ヨーロッパなどに行くと普通に走っていますが、日本ではほとんど見ることがありません。日本人の先入観としてカーゴバイクは変わり種自転車だと思っている人も多いですが、世界的にはそんなことはありません。
何度も取り上げているように、近年ヨーロッパでは環境面などから自転車を活用する動きがトレンドとなっており、特に都市部ではクルマの代わりに使う人が増えています。政策的にも、都市の中心部へのクルマの乗り入れを制限し、環境面や交通事故抑制、渋滞や大気汚染による健康面に配慮する動きが広がっています。

健康面の問題とは、窒素酸化物などの有害物質や特にヨーロッパで多いディーゼル車が排出する粒子状物質、PM2.5などが原因の呼吸器疾患です。主にクルマの排気ガスを原因とする大気汚染で、ヨーロッパ全体では年間50万人もの人が早死にする要因だと報告されており、EUの保健機関などが警告を発しています。
このPM2.5は、喘息や肺がんなど呼吸器系の疾患だけでなく、血液に入り込んで、心臓疾患などの循環器系の病気も引き起こし、多くの人の死因になっている無視できない問題です。健康面においても、クルマの利用の弊害が意識されており、社会的なコンセンサスとして自転車の利用が拡大されているわけです。
ただ、人々がクルマを自転車に置き換えるとき、移動以外のニーズもあります。荷物の運搬です。普通の自転車では運べる荷物が限られます。運送ということでなくても、身の回りの荷物を運ぶために、自転車だと多くは載せられずに不便ということがあります。そこでカーゴバイクを使うのです。
通勤でも、ちょっと荷物が多い時とか、買い物をしても普通の自転車だと載せきれないことがあります。カーゴバイクなら問題ありません。子どもを送迎するにも便利です。2〜3人くらい平気で乗せられ、重心が低いので安定しています。日本で一般的なチャイルドシートより安全です。

都市部に住んでいて、自転車に乗り換えようにも、何かの時に普通の自転車しかないと不便と考える人がいます。でも、カーゴバイクを使えば自転車だけで済み、クルマを売り払えたりします。こうしたニーズから、カーゴバイクはポピュラーな自転車の一つとして乗る人も増えているのです。
近年は、カーゴバイクにもいろいろなバリエーションが増え、新しいスタイルのカーゴバイクも登場しています。例えば、フォールディングのカーゴバイクです。折りたたんでコンパクトに収納できます。カーゴバイクはどうしてもホイールベースが長くなるので、折りたためると便利なこともあります。

自転車を使い始めると、近所だけでなく遠くへも自転車で行くようになります。場合によって、距離がある場合は、電車と組み合わせて使うと便利です。自転車を分解して輪行するのではなく、そのまま列車に載せるサイクルトレインが欧州では普及していますが、カーゴバイクだとどうしても場所をとります。
折りたためるカーゴバイクなら、ラックに収まって便利でしょう。欧州でも、路線や鉄道会社によって扱いは違うのですが、最近はニーズが高まっているため列車に自転車を乗せるスペースを増やしたり、ラックを大きくしたり、欧州共通の規格を制定しようという動きもあります。


知ってはいても、まだ使っていない人のため、カーゴバイクのレンタルも増えています。最近は電動アシスト付きが普通になってきており、多くのカーゴバイクが電動アシスト付きです。相対的に重いカーゴバイクでも、荷物を載せても誰でも乗れるようになっています。
以前も少し触れましたが、普通の自転車とカーゴバイクを付け替えて使えるタイプも登場しています。荷物を運ばない時には荷台部分は邪魔に感じるでしょう。必要に応じて使い分け出来れば便利です。トレイラーを使うという手もあります。荷物が多い時や商売でも重宝します。


デザインを洗練させ、重量を軽くしたモデルもあります。最近は電動アシストが主流なので、多少重くてもいいわけですが、もっとスタイリッシュなカーゴバイクが欲しい人もいるでしょう。安定して運べる4輪タイプでリカンベントスタイルで乗車するものも開発されています。


最近は、なんと子供用のカーゴバイクまで登場しました。2歳くらいの幼児でも乗れる設計です。見本市に出展したら大反響となり、量産が始まりました。子どもの時からカーゴバイクに乗る必要があるのかとも思いますが、子供だって運びたいオモチヤなどかあるでしょう。普通の自転車より便利なこともあるに違いありません。

個人でなく、宅配など商用のカーゴバイクも増えています。環境にやさしいことに加え、近年は都市の中心部などでのクルマの通行が規制され、自転車の優位性が逆に高まっていることが背景にあります。トラックだと荷下ろしのためのスペースを見つけるのが困難だったりします。


自転車のほうが小回りがきき、交通規制や渋滞を回避する点で有利なので、カーゴバイクのほうが効率が良かったりすると言います。運転免許が不要で、トラックだと敷居が高いと感じる主婦のパートなどでも、カーゴバイクならば乗れるので、人手不足の解決になる場合もあるようです。

なんと、日本のホンダも子会社を通じて商用のカーゴバイクに参入しています。基本的に自転車レーンを走行して、ラストワンマイルの宅配ニーズに応えようというスタンスです。これは宅配会社にメリットが多く、十分にニーズがあるとの判断なのでしょう。


ただ、日本での発売は未定としています。欧米では十分にニーズがある、成長分野であるという判断も、日本でのカーゴバイクの普及は見込めないということなのでしょう。やはり、そこには日本の道路事情、自転車インフラの貧弱さがあるのは間違いありません。
このように見てくると、決してカーゴバイクが変わり種自転車ではないことがわかると思います。荷物の運搬を重視した自転車の重要なカテゴリーの一つで、ニーズも高いことは明らかです。むしろ、カーゴバイクがほとんど走っていないほうが偏った市場、道路事情に見えてきます。
日本ではママチャリが市場を席捲し、歩道通行が当たり前という世界から見たら特殊な道路環境です。これではカーゴバイクが使いにくいのは間違いありません。日本であまり見かけないのは、日本の自転車通行インフラの乏しさ、歩道通行という特殊性を表しており、それに気づかないのは日本人だけと言えそうです。
◇ 日々の雑感 ◇
今季最強寒波が襲来しています。大雪災害が警戒されていますが不要不急の遠出は控えたほうがいいですね。
Posted by cycleroad at 13:00│
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