February 02, 2026

シェア型サービスの社会貢献

シェアリングエコノミーが広がっています。


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インターネットやスマホアプリなどを使って、モノや場所、スキルなどを他の人と共有・貸し借りをする経済活動です。部屋をシェアする民泊やクルマのカーシェア、ライドシェア、会議室や駐車場などのシェア、自転車やスモールモビリティのシェアリングサービスも増えています。

そんな中、いまアメリカ・ニューヨークで広がりつつあるのが電動アシスト自転車やeバイクのバッテリーのシェアリングです。ニューヨーク・ブルックリンを拠点とするスタートアップ企業、“PopWheels”が展開しています。シェアするのはバッテリー単体です。

Battery FireBattery Fire

このバッテリーのシェアリングサービスは、ある社会問題を解決すべく立ち上げられました。バッテリー火災です。このブログで何度も取り上げましたが、電動アシスト自転車のバッテリーによる火災は、世界各都市で程度の差はありますが社会問題となっており、ニューヨークでは深刻です。






Battery FireBattery Fire

ニューヨーク市の消防署長は、バッテリー火災による死者が驚異的なレベルに達していると警告を鳴らしています。バッテリー火災は室内、それも多くは玄関付近に保管された自転車のバッテリーから発火し、逃げ口を塞いでしまうことが多いのも要因です。すでにバッテリー火災は他の電気火災による死者を上回っています。

市議会などが、安全基準を満たさないバッテリーの販売を禁止する等の手を打っていますが、火災の顕著な減少には至っていません。以前はバッテリーの火災による死者は出ていませんでしたが、2022年には市内で100人を超え、減る気配は見せていませんでした。

New YorkLondon

一般に、バッテリーによる火災の特徴として、急速かつ突然発火し、激しく燃焼するということが知られています。消火にあたる多くの消防士が、他の原因の火災と比べて、明らかに火の勢いが激しく、あっという間に建物が火に包まれる場合が多いと証言しています。

おそらく寝ている間に充電しておこうという人は多いはずです。突然発火して激しく燃焼し、急速に火が回れば、気づくのに遅れ、逃げようとした時には避難経路がふさがれていることになります。消防士が窓からロープなどで避難させる例も多いようです。聞けば、たしかに怖い火災なのは間違いないでしょう。

PopWheelsPopWheels

ニューヨークの場合、フードデリバリーの配達員など、いわゆるギグエコノミー労働者が多いことも災いしています。バッテリーの販売や流通の規制強化なども法制化されたりしていますが、粗悪な中古品、非正規品などを通販やフリマなどで入手して使う人も多く、効果を上げていませんでした。

そこでニューヨーク市は火災の防止と、ギグエコノミー労働者を保護するため、配達員の労働環境を全面的に見直すことにしました。Uber、DoorDash、Grubhub といった市内で展開するプラットフォーム業者に対し、安全で正式な認証を受けた電動自転車を配達員に提供する責任を課したのです。

PopWheelsPopWheels

配達員に責任を負わせるのではなく、プラットフォーム業者に提供する責任を課すという新しい方策です。一般的に配送プラットフォームの運営業者は、基本的に配達員と飲食店のマッチングをするだけです。そのプラットフォームを提供して手数料を得る商売です。配達員は個人事業主扱いで責任を持たないというスタンスでした。

しかし、そうするとギグワーカーである配達員にさまざまなしわ寄せがいくことになります。事故やケガの保障は本人負担で、休業手当もなく、安定した仕事量も保証されません。そこで、運営業者に安全な電動自転車の提供義務を課すという、今までにない思い切った、踏み込んだ対応をとったのです。

PopWheelsPopWheels

配送プラットフォーム業者は、電動自転車をサブスクリプション方式で提供するレンタル業者等の会員費を補助したり、下取りプログラムなどを通じて、ジャンク品ではなく、安全要件を満たし正式に認定された電動自転車を、相応の費用負担をして購入させたりしました。

そこに、ギグワーカーが使うバッテリー自転車を共通規格にしてバッテリーを貸し出すという事業を打ち出したのが、“PopWheels”です。街角にバッテリーの貸し出しステーションを設け、そこから労働者が借り出すというバッテリーのシェアリングサービスです。



PopWheelsPopWheels

これがバッテリー火災対策として優れているのは明らかです。バッテリーそのものは“PopWheels”が管理しますから粗悪な非正規品を使うようなことはなくなります。火災のリスクは減ります。さらに、充電は貸出ステーションで行われますので、自分のアパートなどで充電する必要がなくなります。

万一、火災が起きたとしても住宅火災にならずに済むわけです。フードデリバリーの配達員としても充電の手間がなくなりラクですし、バッテリーの充電がなくなれば新しく借りればいいのも利点です。充電が切れて配達の仕事をし損なうこともありません。最寄りのステーションはスマホの地図で確認できます。

PopWheelsPopWheels

これは、主にフードデリバリーの配達員を対象としたシェアリングサービスですが、バッテリー火災の防止にも貢献する、なかなか有意義なシェアリングサービスと言えるでしょう。さらに今般、“PopWheels”社は、このサービスを違う顧客向けにも展開させようとしています。

それは、フードカートや街角の屋台などを営む人たちです。ホットドッグやコーヒーなどを売るスタンド、屋台やフードカート・フードトラックなどはニューヨークの名物です。ほとんど景色の一部のようになっています。ここでフードや飲み物を売る人たちにも、バッテリーを使ってもらおうというのです。

PopWheelsPopWheels

路上での商売ですから、電源はガソリンや軽油などによるポータブルの発電機を使うのが一般的でしょう。でも、こうした発電機は騒音や排気ガスなどが出ます。一日中動かし続けることになるでしょうから、周辺の商店などに迷惑がかかったり、何より商売している人の健康にもよくありません。

そこで、発電機の代わりにバッテリーを使ってもらおうと考えたのです。調理ではプロパンガスなどが使われるとしても、それ以外に電子レンジ、照明・冷蔵・保温・レジ・POPなどでは電力が必要です。そのために使われる発電機をバッテリーにすれば、騒音や排気ガスも出ず、燃料代よりも安くつく場合もあるでしょう。

PopWheelsPopWheels

この発電機による騒音や排気ガスが、どれほど周辺に迷惑をかけているかはそれぞれだと思いますが、その悩みを解決することになります。環境に優しいのは間違いありません。まだデモンストレーションを行っている段階ですが、関係者からは大きな反響があるそうです。

シェアリングエコノミーは遊休資産が活用できたり、スペースやコストを削減出来たりします。このバッテリーのシェアリングサービスは、さらにバッテリー火災という社会問題の解決にも貢献します。フードカートや屋台の電化という今後の展開も含め、なかなか興味深いシェアリング事業と言えるでしょう。





◇ 日々の雑感 ◇

与野党のほとんどが消費税減税を掲げています。仮に食品が8%分下がったとしても日本の財政規律が世界から懸念され為替は円安となり輸入物価の上昇が予測されます。8%くらいすぐ戻ってしまうのではないでしょうか。

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