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自転車においては、ヘルメットなど被害を軽減する方策しかない、ヘルメットでは事故は防げないと指摘し、クルマ用の技術、ADASなどを自転車に流用し、事故防止につながる装置を開発して普及させようとしているメーカーの話でした。これはこれで有用な方法だと思いますし、自転車乗りとして期待します。
ただ、個人的に思うのは、これを自転車に搭載するのではなく、クルマに搭載すべきではないかということです。つまり、自転車のほうに事故の危険を予測する機器を取り付けて事故回避をさせるのではなく、クルマに取り付けた機器で事故をクルマのほうに回避させるべきではないかと思うのです。

なんでクルマのほうに自転車の安全の為の機能を搭載しなければならないのかとドライバーの反感を買いそうです。しかし、自転車との事故の防止、回避はドライバーのためでもあります。事故を起こせばクルマのほうが過失割合が高くなることが多く、刑事罰や免停などの行政罰、民事でも損害賠償の支払いを求められます。
ドライバーにとっても不幸な事態であり、なるべく事故を避けたほうがいいのは間違いありません。もちろん甚大な被害を被るのは基本的に自転車のほうであり、避けたいわけですが、クルマにとっても有益な事故防止装置であれば、これまでの各種の安全装置の延長線上で装備してもいいはずです。

例えば、クルマの排気ガスが大気汚染をもたらし、人体に有害な影響を与えてきたため、排出の規制が強化されてきました。これを人間のほうで対策しろ、鼻に栓でもしておけと言ったら人々は怒るでしょう。事故で人命が奪われているのですから、それを防ぐような改良を加えさせたり、安全の為の規制を強化すべきでしょう。
クルマメーカーとしては、ドライバーの安全を守る装置はユーザーにアピールできますし、販売促進につながる可能性があります。しかし、事故を起こして相手を死傷させればドライバーにとっての不幸でもあるわけで、そのリスクを軽減するための装置もまた、そのメリットを説明できる付加価値だと思います。

事故なんて滅多に起きないことのために、車両価格が上がってしまうとの懸念もあるでしょう。でも、それは他の安全装置と一緒です。例えば最近はサイドエアバッグなども標準装備となっているクルマは多いですが、おそらくそれが効果を発揮する確率は低いに違いありません。イザという時の装置という意味では一緒でしょう。
自転車に搭載しても有効性はあると思いますが、クルマのほうが搭載する余裕があります。電源もとれますし、何より直接的に運転支援することが出来るぶん、有効性が高いのは間違いありません。自転車との接近を検知して、AIが事故の危険が迫ると判断した場合に自動ブレーキをかけることも技術的には実現可能でしょう。

クルマの予測進行コースの中に自転車がいて、接触するリスクを検知したらハンドル操作を補正するようなことも出来るでしょう。対自転車用ではないですが、似た装置をすでに装備するクルマもあります。いまや自動運転が視野に入り、国によっては街で走り始めているのですから、難しい技術ではないはずです。
今年4月に施行される改正道交法では、自転車の側方を通過する場合、十分な間隔(1.0〜1.5m目安)がない場合、安全な速度での進行が義務化されます。 これを機に、自転車と衝突しないまでも、安全な間隔が保てないと見込まれる場合、速度を落とさせる装置の導入を進めてもいいと思います。

最終的にはクルマがすべて自動運転になり、自転車との事故は回避できるようになるのかも知れません。しかし、現状で世界中の多くの人が死傷しているのですから、自動運転技術の一部を前倒しで装備してもいいでしょう。事故が起きれば保険金支払いが生じる損害保険会社も保険料を割り引く等、搭載推進に協力出来るはずです。
昨今の事故の報道などを見ていて疑われるのは、スマホを使いながらの運転です。自転車に乗っていて、後方からクルマに追突されて死傷し、中にはひき逃げされるような事故が後を絶ちません。脇見をしていたと供述するケースもありますが、ほとんど理由や詳細までは報道されません。

脇見は不注意ですが、スマホ操作は故意で、より悪質と判断されるでしょうから正直に言わない人も多いに違いありません。事故のどれくらいの割合かはわかりませんが、クルマのドライバーでも運転中に使っている人が少なくなく、事故の原因となっているのは、ほぼ間違いないでしょう。
昨今は自転車の「ながらスマホ」にスポットが当たっていますが、自転車の取締りは容易でもクルマの取締りは困難です。取り締まれないなら、機械的にさせないようにすべきでしょう。ドライバーの視線や居眠りを検知する技術は既にありますので、スマホ操作に警告を発することも十分に可能なはずです。

クルマを運転していて、スマホに目をやるたびに警告音が鳴っていたら、うるさくて邪魔と敬遠されるかも知れません。でも仮に出来たとしても、ながらスマホは止めたほうがドライバーの身のためです。シートベルトと同じようなもので、警告音がうるさいので運転中のスマホ操作を止める誘因になるに違いありません。
対自転車用ではありませんが、酒気帯び運転を防止する、アルコール・インターロック装置も積極的に導入すべきです。一部の国では導入が始まっています。国策として導入を義務付ければ、酒気帯び運転による悲惨な事故は防げると思います。技術的には以前から可能なのにもかかわらず、導入が進まないのは政治の怠慢でしょう。
酒を飲めない人もいますし、クルマに乗るのにいちいち呼気をチェックするなんて面倒といった声も根強いのでしょうけど、酒気帯び運転ができても誰のトクにもなりません。装置を強制すべきです。飲んでしまって運転するのを防ぐことは公共の利益であり、ドライバー本人のためでもあります。
一部のメーカーは、ドライバーが後方確認せずにドアを開けたために自転車がドアと衝突する事故を防ぐ装置、安心降車アシスト(SEA:Safe Exit Assist)を装備しはじめていますが、まだまだ進んでいません。しかし、これも下手をするとサイクリストの命を奪いかねないリスクを減らす装置です。もっと普及させるべきです。
もちろん、クルマと自転車との事故の中には、自転車の法令違反やマナーの悪さ、傍若無人で無謀な走行によって起きるものもあります。それはそれで減らさなければなりません。場合によっては、ドライバーが悪くないのに事故になり、過失割合が大きく判断されるような事例も起きています。
そうした自転車のほうが悪い場合は別として、自転車との事故を防ぐ、回避することはドライバーの利益です。その認識を広げていく必要があります。世の中が自動運転に向かう中、十分に可能なのですから、先進技術による安全装置は前倒しして、クルマにこそ積極的に搭載して事故を防いでいくべきではないでしょうか。
◇ 日々の雑感 ◇
ミラノ・コルティナ冬季五輪で、フィギュアスケートのペア・フリーで三浦璃来、木原龍一ペアが大逆転で金メダルを獲得しました。世界歴代最高点で同種目では日本勢初と言いますから、まさに快挙です。おめでとうございます。
Posted by cycleroad at 13:00│
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