June 02, 2026

自転車でどこをどう走るのか

今年も6月に入りました。


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すでに真夏日どころか猛暑日の地域が出るなど季節外れの暑さで、同時に台風が日本列島を直撃しています。さて、そんな時期ですが、今回は最近の自転車関連のニュースの中から気になったものをいくつかピックアップしてみたいと思います。


トンネル自転車死亡事故、現場診断で「全体的に暗く電球切れも?」 2023年にも同様の死亡事故「車道は自転車が走る場所、より一層存在を意識して」【高知・須崎】

トンネル5月13日、高知県須崎市の農道のトンネル内で、大型トラックが自転車に追突した死亡事故を受けて、25日、警察などが再発防止に向けた「現場診断」を行いました。

この事故は、5月13日に「法印山トンネル(ほういんやまトンネル)」内で、北向きの車道の左端を自転車で走行していた72歳の男性が、後ろから走ってきた大型トラックにはねられ、死亡したものです。

「現場診断」は、交通死亡事故の再発防止策を講じるため、警察などが行っているものです。須崎警察署管内では1月にも自転車が絡む死亡事故が起きていて、25日の現場診断は注意喚起も兼ねて、報道陣に公開して行われました。

現場の「法印山トンネル」は、大谷地区と須崎市内中心部とを結ぶ農道にあり、須崎市が管理しています。全長989.4m、幅9.25mで、片側1車線のトンネル内の車道両側には歩道がありますが、片方=南向き車線側の歩道のみ、自転車が通れるようになっています。

トンネルトンネル内では2023年10月にも、ロードバイクに乗っていた63歳の男性が大型トラックに追突され死亡する事故が発生していて、トンネルの入り口には、自転車への注意を促す道路表示があります。

2023年の死亡事故は「南向き」の車線で、そして今年5月13日の死亡事故は「北向き」の車線で、それぞれ発生しています。

25日、診断を行った警察官や須崎市の職員らは、現場の法印山トンネルの照明が「ナトリウム灯(ナトリウムランプ)」で全体的に暗いうえ、電球が切れているところもあると指摘していました。

◆須崎警察署 美馬謙太 交通課長
「(車のドライバーには)『暗い場所は周囲が見えづらく非常に危険な場所である』という認識を持っていただき、『車道は自転車が走行している場所だ』と、より一層自転車の存在を意識して安全な運転につなげていただきたい」

また須崎市によりますと、市では、5月13日の死亡事故発生の以前から、法印山トンネル内をより明るくするため照明をLEDにする施策を進めていて、今年度中に設置計画の設計を完了し、順次変更していきたいとしています。(2026年5月25日 TBS)


トンネル内での自転車の死亡事故は各地で時折り発生しています。場所によって違いはあると思いますが、都市部にあるトンネルはまだしも、郊外のトンネルには、自転車が走行すると想定していないかのように思える場所があります。自転車は近所のアシという先入観で、郊外の道路の走行を考慮していないように見えます。

そもそも自転車は車道走行が原則と言いながら、歩道走行を強いてきたため、自転車の走行空間が乏しいところがあります。トンネルも車道の左側に寄って走ることになるわけですが、車線の幅が狭く、後続車が無理やり抜いていったり、自転車のいることが想定外で驚くようなドライバーがいたりします。

ただでさえ危険なのに、この記事のように内部が暗くて視認されにくいのでは、事故が起きても不思議ではないでしょう。明るくするだけでなく、せめて自転車の存在をドライバーに意識させる標識を立てるとか、出来る対策は極力進めてほしいと思います。


自転車で「歩道を逆走」ってあり? ルールでは双方向で「通行」できるけど「走行」はダメ その違いは

歩道を逆走「歩道を逆走している自転車がいたが、横を巡回中のパトカーは注意すらしなかった。しっかり取り締まって」

60代男性からの意見を東京新聞朝刊・発言欄に掲載したところ、「歩道は双方向で走れるのでは?」「『歩道の逆走』については友人や家族とも理解がバラバラ。調べて」との指摘や要望が相次ぎ、ルールを確認した。

男性に尋ねると、「隣の車道を走る車とは反対の方向に、自転車が歩道を進む」状況を「歩道の逆走」と表現したそうだ。
自転車は、歩道の中央から車道寄りを徐行する=警察庁「自転車ルールブック」から

国内外の自転車政策に詳しく、青切符制度導入の検討にも関わったNPO法人「自転車活用推進研究会」(東京)の小林成基(しげき)理事長(77)は、「大変誤解を受けやすいが、自転車は歩道を両方向に通行することができる」と説明する。

◆そもそも道交法上、歩道に「逆走」の概念はない

道路交通法上、歩道には「逆走」という概念がなく、「隣の車道を走る車と反対の方向に、自転車が歩道を進むこと」自体は違反ではないという。ただ、いつでも歩道を通っていいわけではない。青切符導入に伴い、警察庁が取り締まり方針を示した「自転車ルールブック」によると、通行できるのは、以下の場合。
�(眛擦瞭始�標識・標示で通行可能とされている
��運転者が13歳未満か70歳以上、または一定の身体障害がある
�8鯆摸未�多い、狭い、工事中など車道が安全に走行できる状態ではない

その際も「歩道の中央から車道寄りの部分を徐行」するという条件付きだ。「徐行」とは「ただちに停止できる速度」で、警視庁は目安として時速8〜10キロと示している。小林理事長は「注意してほしいのは、歩道は『走行』ではなく、『通行』できるとされていること」と強調する。

「自転車ならではのスピードで走るイメージを持つ人が多いが、あくまでも歩行者が優先」。また、歩道内で自転車同士が擦れ違う時は「車道と同じ。相手を右に見るキープレフト(左側寄り通行)で」とアドバイスした。(2026年5月28日 東京新聞)


青キップ導入を契機に、自転車の歩道走行に関心が高まっています。記事にあるように、道交法上、歩道に「逆走」の概念はないため、自転車通行可の歩道であれば両方向通れることになります。しかし、実際問題として歩道の端を徐行している人は少ないでしょう。

狭い歩道で両方向から自転車が走ってくれば歩行者に危険が及ぶ状態です。つまり、歩道通行可の場所では、依然として歩行者にしわ寄せがいっています。やはり、車道走行を徹底させるべきであり、どうしても危険な場所だけ降りて通行させるとか、徐行を徹底させる表示をするなど対策が必要ではないかと思います。


「知らなかった」自転車青切符 1ヶ月の最多は一時不停止 足を着かない状態での安全確認は違反?

一時不停止4月に始まった自転車の「青切符制度」ですが、全国では、4月の1か月間で、反則金を課す「青切符」の交付が2100件以上ありました。

その内訳は、最も多かったのが、「一時停止」違反の「一時不停止」で、846件に上りました。宮崎県内はどうなのでしょうか?

県内は、先月、「一時不停止」での「青切符」の交付はなかったのですが、指導・警告は49件ありました。この「一時停止」に注目し、県内の実態と注意点について取材しました。

自転車に一時停止が適用されている認識ありますか?

(玉岡克希記者)「自転車の一時停止について、街の人はどのような認識を持っているのでしょうか?」
(玉岡記者)「自転車に一時停止が適用されている認識ありますか?」
(女性2名)「ないです」(女性)「やっぱり止まらないと、歩行者が歩いてるから」
(男子学生)「一時停止は必要だと思いますけど、車みたいに法で縛る必要はないかなと思います」

自転車を安全に利用するには、欠かせない「一時停止」。青切符」制度の導入前から、道路交通法で定められているルールです。(中略)30分間で、「一時停止」の必要がある道路を通過したのは44人。しかし、一時停止をしたことが確認できたのは、2割以下のわずか8人でした。

右左折直進かかわらず 一時停止のある場所では一時停止を

自転車の一時不停止が招く危険性について、警察の担当者は
(宮崎県警察本部交通企画課 高妻一樹課長補佐)「一時停止をせずに交差点に進入して、進行したことで、交差道路から進行してくる自動車等と衝突する交通事故が県内でも発生しております」

一時不停止また、一時停止が必要なのは、直進のときだけと、間違って認識している人も。今回の調査でも、一時停止せず、左折していく人が多く見られました。

(宮崎県警察本部交通企画課 高妻一樹課長補佐)「右左折直進かかわらず、一時停止のある場所では、一時停止をしていただく必要があります」さらに、法律上、「一時停止とは、自転車の車輪が完全に止まっている状態」のことなので、安全確認をしたとしても、違反になる可能性があることにも注意が必要です。

足を着かない状態での安全確認は違反?

では、足を着かない状態での安全確認は、違反にならないのでしょうか?警察の担当者に聞いてみると
(宮崎県警察本部交通企画課 高妻一樹課長補佐)「定義上は、車両の車輪が完全に止まっている状態をいいますので、足をつかない行為については、違反には該当しません。(しかし)バランスをとるのに意識が向いて、左右の安全確認がおろそかになり交通事故が起こる危険性があります」

場合によっては、自分のルール違反で、相手にけがをさせてしまうこともある自転車。大事なのは、「自転車も車と同じ車両」という意識が必要だと、警察の担当者は強調します。(以下略 2026年5月26日 MRT)


青キップが導入されて2か月が過ぎたわけですが、ルールに関する疑問がいろいろ出てきているようで、解説記事が増えています。一時停止については、オートバイでも足つきがよく言われることですが、足をつかなかくても停止していればいいことになります。実際、足をつかない人も多いでしょう。

ただ、自転車の場合、一旦止まると漕ぎ出すのに力がいるので、なるべく止まりたくないのは人情です。もちろん、それは違反なので、取り締まられても文句は言えません。個人的に懸念するのは、一時停止どころか左右の確認すらしない人がいることです。タイミングが悪ければ事故になりかねない行為です。

一時停止はルールですから、従う必要があります。でも、守らない人が圧倒的に多いのが現状でしょう。宮崎県でなくても、自転車で一時停止しない人を見るのは普通です。私は警察ではないので、それを咎める立場にはありませんが、せめて安全確認はする習慣をつけるべきだと思います。


「正直、全部守れる自信がない」 自転車青切符は定着するのか? 4月「13万件の指導警告」があぶり出す“都市の走り方”の再設計

青切符2026年4月、16歳以上対象で113違反を規定し、青切符制度が始動し初月摘発2147件。規制強化に生活影響59.9%、専用レーン支持65.1%と制度定着と都市交通再設計の行方が問われる過渡期の都市交通を象徴する。

自転車青切符制度の本格始動

2026年4月、自転車に青切符を交付する交通反則通告制度が開始された。都市を走る自転車のあり方を根底から変えるこの仕組みは、16歳以上を対象にスマホ操作や一時不停止など113種類の違反に反則金を課す。運用初月となった4月の全国の摘発件数は2147件(暫定値)にのぼり、これまで曖昧だった走行ルールが、実効性を持つ法的枠組みへと完全に移行した。

紀尾井町戦略研究所による調査では、規制強化が生活に影響があると答えた人が59.9%にのぼり、自転車がいかに生活インフラとして浸透しているかを浮き彫りにしている。一方で、違反抑制の効果については減ると思う(44.2%)と減るとは思わない(36.3%)が拮抗しており、安全への期待と利便性が失われることへの戸惑いが入り混じるなかでのスタートとなった。

一方で、違反抑制の効果については見方がわかれている。減ると思うが44.2%、減るとは思わないが36.3%と拮抗しており、安全への期待と利便性が失われることへの戸惑いが入り混じる。この制度を機に変化する車両や歩行者との関係、そして関連産業の拡張性を考えてみたい。

生活への波及と自動車との調和

自転車の利用目的は買い物が44.5%でもっとも多く、通勤・通学の17.5%が続く。数字が物語るように、自転車は暮らしに欠かせない土台だ。今回の制度は安全対策の枠を超え、移動のあり方そのものの高度化を促している。

影響を肌で感じているのは若年層だ。生活に非常に影響があると回答した人は20代で3割を超え、学生の認知度も8割に達している。ほぼ毎日乗る層の3割以上が強い影響を口にしており、利用頻度の高さが行動変容を迫る構図が透けて見える。

変化は仕事の現場にも及ぶ。113の違反をすべて回避し続ける不安は根強く、全体としては自信がないという声が43.3%にのぼる現状は、配送やギグワークの現場に効率とルールの両立という課題を突きつけている。こうした意識の変化は、法にかなった機材や管理システムの需要を呼び起こした。自転車ビジネスは、移動手段の提供から安全を管理するサービスへと裾野を広げつつある。

ただ、この変化は自転車側だけの問題ではない。自動車側にも配慮が求められている。追い越し時に1mほどの十分な間隔を空ける指針に対し、ドライバーの58.6%が状況によっては守れないと回答した。守れるとした19.9%を大幅に上回る結果は、道路の狭さとルールのあいだにある物理的なズレを浮き彫りにした。

安心感についても、高まるとする声(42.2%)と高まるとは思わない声(43.9%)が拮抗しており、交通社会が過渡期にあることを示している。自動車メーカーも個人の注意に頼らず、センサーや運転支援機能で自転車と空間をわけ合う技術開発を急いでいる。車側の見守る力が高まることは、都市移動を穏やかに変えるための不可欠なステップとなるだろう。

青切符安全な自転車利用を広めるために向き合うべきは、ルールをどう守らせるかよりも守れる環境をどう整えるかという問いだろう。調査で、もっとも効果的な安全策として専用レーンの整備を挙げる声が65.1%に達した事実は重い。物理的なスペースの確保こそが、新しい秩序の土台になるだろう。これに安全教育(59.3%)や警察の取り締まり(53.4%)が続く形は、ハードとソフト、そして法執行の三つが揃って初めて街が動く、という人々の実感を代弁している。

こうしたニーズは、違反の摘発を超えた実務的な課題も浮き彫りにした。専用レーンの拡充は公共事業としての性格を強め、教育の現場では企業や学校を対象とした新しい研修プログラムが市場として立ち上がりつつある。実際、運用初月となった2026年4月のデータを見ると、全国での青切符交付が2147件だったのに対し、現場での指導・警告は「13万5855件」(前年同月比35%増)に達した。

歩道走行の摘発がわずか5件に留まった背景には、インフラが追いつかない現状を踏まえ、周知を優先する警察の慎重な姿勢がある。交通計画に詳しい東海大の鈴木美緒教授が説くように、リスクを噛み砕いて伝え、学ぶ機会を地道に増やす取り組みが欠かせない。ソフト面の充実が物理的な整備と足並みを揃えてこそ、移動の質を高めるサイクルは実効性を持つ(『日本経済新聞』2026年5月14日付け)。

道路の分け合いについても、ようやく議論が始まった。自転車に乗る頻度が変わらないとする人が70.6%を占める一方で、減ったという人が18.8%存在する点は見逃せない。規制の強化が、一部の層にとっては移動のあり方を見直すきっかけになったわけだ。特に20代から30代にかけて影響が強く出ている現状は、移動の効率が特定の層の行動を変え、それが地域の経済活動にまで波を及ぼしていく過程を示唆している。

これまでどこか曖昧だった自転車の立ち位置は、違反行為が明確になったことで、車と道路を分け合う権利と義務を持つ主体へと書き換えられつつある。この変化は、沿線の不動産価値や店への集客力にも関わってくるだろう。安全に走れる環境があるかどうかが、街選びの新しい基準になり始めている。限られた車道の幅をいかに賢く使い、多様な移動手段を共存させるか。この課題にどう答えるかが、都市の魅力を高め、新たな活力を呼び込むための分かれ道となっている。

議論の核心は、都市の限られたスペースとルールの整合性にある。反則金の対象として二人乗り(73.0%)傘差し運転(72.2%)一時不停止(66.0%)が高い支持を得ていることは、危ない走りを排除し移動の質を平準化しようとする社会の合意といえる。

一方で、小学生以上の子どもを幼児用座席に乗せることへの支持が35.6%に留まった点は、生活の実情と厳格な法律をどう擦り合わせるかという課題を残している。

人々の意識は、ルール遵守を個人の心がけからシステムの問題へと押し上げた。違反をしない自信が全くない(10.9%)、あるいは自信がない(43.3%)と答えた半数以上の不安は、民間サービスや技術への期待に形を変えている。保険の高度化や安全技術の追求は、自転車が独立した交通の主役として責任を負う時代に即した、組織的で合理的なリスク管理への移行を意味している。

今後の展開にはいくつかの道筋が見える。ひとつは、65.1%の支持を集めた専用レーンの整備が加速し、街全体の移動がスムーズになるシナリオだ。しかし、インフラが追いつかないまま取り締まりが先行すれば、利用が減ったとする18.8%の層を中心に自転車離れが進み、都市の活気が一時的に影を潜める懸念もある。

もうひとつは、データをもとに交通の流れを整え、地域の実情に合わせたモデルを先行して作り上げる動きだ。生活への影響を実感している59.9%の声をどう拾い、秩序を築くか。この模索のプロセスこそが、交通のあり方を塗り替える原動力となっていくだろう。(2026.5.25 Merkmal)


青キップ導入後の人々の意識についての調査結果が載っていました。この制度導入に肯定的な人も少なからずいますから、無謀で危険、傍若無人な走行が減ることへの期待があるのは確かでしょう。違反項目についての支持にもバラつきがあるのも理解できますし、概ね予想に近いと思われます。

自転車の原則車道走行に対する懸念が大きい一方で、車道に走行空間が乏しいのは確かであり、そのあたりの兼ね合いが、今後どのようなコンセンサスを得ていくかも注目されます。いろいろな議論はあると思いますが、自転車の走行空間の確保を極力進めていくことが求められているのは間違いないと思います。


「追い抜いてすぐ左折ヤメテ!」「自転車のせいで後ろから煽られる」 青切符制度で“カオスすぎる路上”の実態 自転車vsクルマ“苦言だらけ”な結果に!?

青切符乗りものニュースでは読者アンケートを実施。4月1日より適用開始となった自転車の青切符制度ですが、自転車・クルマの運転手からのリアルな現状について様々な意見が寄せられました。

指導警告は少ないものの「車道走行」に課題

乗りものニュースでは、2026年4月30日から5月8日にかけて、「自転車の青切符制度」に関する読者アンケートを実施しました。4月1日から制度の適用が始まりましたが、アンケートで実際に警察から指導警告や反則金の適用を受けたケースについて聞いたところ、次のような声がありました。

「傘さした」(60代・男性・首都圏在住)
「一時停止の標識に従わなかったことで停められて指導の紙をもらいました」(30代・女性・首都圏在住)
「自転車で歩道を走っていたら注意された」(60代・男性・北関東在住)
「かなり広い誰もいない歩道を、自転車で走っていたら、車の激しい車道(甲州街道)を走るように警察官に注意された」(50代・男性・首都圏在住)

ただ、このように指導警告や反則金の適用を受けたのは、272件寄せられた回答のうち約2%程度にとどまり、「現状ではない」との回答が大半を占めています。とはいえ、傘差し運転や一時不停止、歩道走行など、青切符制度の適用前には「違反」と十分に周知されていなかった交通ルールに関する指導例が目立ちました。

また、制度開始後、「警察官を装った反則金詐欺」が話題となりましたが、「警察からは無いが、一般のチャリ警察から間違ったイチャモンをつけられた」(60代・男性・首都圏在住)というように、警察ではない一般人からクレームを受けた人も少なからずいるようです。

原則として車道走行が求められる現在のルールですが、その実態については疑問の声も上がっています。

「自転車に車道は無理」(50代・男性・北関東在住)
「田舎の道路整備(自転車用通路)を作ってから法律を改正するべき」(20代・男性・北関東在住)
「高齢者や小学生がなにがなんでも車道を走ろうとする。年齢問わず、自転車レーンがない交通量の多い国道を走ってほしくない」(50代・女性・首都圏在住)
「狭い道路と狭い歩道があり、狭い道路の場合特例で車道が危ない場合 歩道走行可になってますが この場合どっちを走れば良いかしっかり決めて欲しい 」(30代・男性・近畿在住)

青切符危険性や課題を指摘する意見が多く、特に自転車レーンの整備が進んでいないことが原因のひとつとして挙げられています。

また、道路が狭い場合に歩道と車道のどちらを走行すべきか分からないという声や、「原則として車道を走行すること」によって、子どもや高齢者がクルマと接近する危険な場面が増えたとの意見も見られました。

そのため、「歩道通行をある程度許して欲しい」(60代・男性・首都圏在住)との声も上がっています。

車道を走る自転車が感じるリアルな「危険性」

取締りについて、まずは「自転車の傘さし運転・スマホ・イヤホンの取り締まりに重点を置いてほしい」(40代・男性・首都圏在住)といった意見もあり、車道・歩道走行の取締まりは次の段階で行うべきだったのではないか、との指摘もありました。また、自転車側からは車道走行時の危険性について、クルマ側の運転マナーを問題視する声も寄せられています。

「自動車はもう少し自転車との距離を測ってほしい」(70代以上・男性・首都圏在住)
「近距離での追い抜き。危険な目に合いました。大変恐ろしかったです」(40代・男性・中部在住)
「得意気にわざと自転車に寄ってきてスレスレで捲ってくる」(50代・女性・首都圏在住)
「自転車用の青線にわざと寄せてくる車」(30代・男性・首都圏在住)

クルマが自転車を追い抜く際などに高スピードで接近したり、幅寄せしたりするケースが多いようで、「安全な車間距離を破らないで欲しい(徐行であっても)」(40代・男性・首都圏在住)との声もありました。さらに、追い抜いた後についても、「自動車の自転車を追い抜いてすぐ左折はおそらく嫌がらせなのでしょうがやめてもらいたい」(50代・男性・中部在住)との意見も寄せられています。もう一つ、自転車側からの不満が多いポイントが、路上駐車についてです。

「自転車専用レーン内の駐停車」(30代・男性・首都圏在住)
「自転車用道路に路駐する乗用車が多すぎるので緊急車両や配達車以外の乗用車の無闇な停車を控えて頂きたい」(30代・男性・首都圏在住)

このように、本来自転車が走行する空間にクルマが駐停車しているケースも多いようで、自転車が道路中央寄りを走らざるを得なくなり、自転車・クルマ双方にとって危険な状況が生まれているそうです。そのため「路上に停まってるクルマが少ない道路を選ぶようになった」(50代・男性・首都圏在住)という人もいます。

青切符また、「自動車やドライバーというより、市政などが協力して道を広くしたり、駐車場を増やすなどして解決してほしい」(20代・男性・首都圏在住)と、安全な自転車走行空間の整備を求める声も挙がっています。

「車道に自転車」増えた!その実態は?

では、車道を走行する自転車が増加したことで、クルマ側にはどのような変化が生じているのでしょうか。

「ノールックで車道に出る、自転車が車道→歩道→車道の動きで赤信号を回避しようとする、自転車が赤信号で前に出る」(30代・男性・近畿在住)
「安全確認をしない車道への飛び出しや、追いつかれた車両の義務違反及び信号待ちで車の間を縫って前に出てくること」(40代・男性・首都圏在住)
「手信号なしでの方向転換、路肩に寄るように走行しないで車道寄りに走ること。(抜いて行けるような配慮が欲しい)」(30代・男性・首都圏在住)
「右側通行や歩道の我が物顔での走行はやめてほしい」(60代・男性・首都圏在住)
「信号無視が常態化している」(60代・女性・首都圏在住)

自転車に対しては、逆走や飛び出し、車間のすり抜けなどを危険視する意見が挙がりました。特に、車道と歩道を行き来する走行や、方向転換時の後方確認不足が目立つとされ、クルマ側からは自転車の車道走行を歓迎していない様子もうかがえます。

また、クルマが自転車の横を通行する際には、1メートル程度の間隔を空ける必要があるため、「片側一車線しかない所が多いのに、渋滞の元だし、後ろから速く行けと言わんばかりに、煽られたり、クラクション鳴らされたりする」(60代・女性・近畿在住)というように、後続車への影響が生じるほか、あおり運転被害につながるとの声もありました。

現状の青切符制度の問題点については、「恵まれた道路状況を前提としていて、日常的に使用されている道路が考慮されていない」(70代以上・男性・首都圏在住)との指摘もあります。都心部の整備された道路と、郊外・地方部の道路でも環境に大きな差があり、そのことが適用基準の曖昧さや、現実的には対応が難しいルールにつながっているのではないか、という意見も寄せられています。(2026.05.23 乗りものニュース)


こちらの解説記事では、自転車・クルマ双方からの声が取り上げられています。歩道走行しても、すぐには摘発されないことの認知が低いのかも知れませんが、これを契機に車道走行をするようになった人は少なくないのでしょう。クルマと距離的に近くなったことで、戸惑いがあるのは十分理解できます。

今回の青キップ導入で、自転車の利用者には、自転車が原則車道通行だということが意識されましたが、クルマのドライバーは、まだまだ自転車は歩道走行しろと思っている人が多いと思われます。追い抜き違反が制定され、意識はされつつあると思いますが、自転車から見るとまだまだ危険な運転が多いようです。

私はさんざん書いてきましたが、以前はほとんど話題に上らなかった一般の人の意見として、もっと自転車の走行空間の整備をすべきという声が上がるようになりました。ある意味当然ですが、変化を感じる部分でもあります。違法駐車を排除するなど、できることはあるはずです。行政の取り組みを期待したいと思います。


自転車道30年度1.2倍に 第3次活用計画を閣議決定

政府は29日、今後5年間の第3次自転車活用推進計画を閣議決定した。自転車専用の道路や通行帯、車道上の自転車レーンの長さを、2030年度に現在の1.2倍となる計1万2千キロまで増やす。ヘルメット着用率の向上も掲げた。

計画は、道路の幅などが限られる中で、自転車用のスペースを確保するための技術的な工夫などを盛り込んだ自治体向けの手引を今後改定し、整備を後押しするとした。

自転車で観光地を巡る「サイクルツーリズム」の受け入れ促進や、シェアサイクルの普及に向けた取り組みも明記した。

事故の減少に向けた警察の取り組みも記載。25年の調査でヘルメット着用率が2割だったことを受け、学校などと連携し着用を推進するとした。今年4月から始まった、16歳以上の自転車の交通違反に反則金納付を通告できる交通反則切符(青切符)制度も周知する。

金子恭之国土交通相はこの日首相官邸で開かれた自転車活用推進本部の会合で「観光や脱炭素など自転車が貢献すべき社会の課題は多様化している。新しい計画に基づき、より充実した施策を実施する」と述べた。(2026年5月29日 日経新聞)


政府も自転車活用計画を閣議決定しています。自転車レーンを増やす目標はいいですが、旧態依然とした計画に見えます。長期計画とは別に、少なくとも都市部ではすぐに自転車の走行空間整備が可能なところから進めていくべきです。1.2倍とかではなく、出来るところは可及的速やかに対処するくらいの姿勢が必要だと思います。


『自転車課』設置の神戸市 駐輪場や走行空間の改善による、利用環境の整備進める

自転車課自転車利用をめぐる環境が変化するなか、神戸市は今年4月、新たに「自転車課」を設置し、走行環境や駐輪場の整備などを進めています。

背景には、電動アシスト自転車やチャイルドシート付き自転車の普及に加え、今年4月から全国で自転車利用者への「青切符制度」が導入されたことなどがあります。神戸市は、自転車施策を「はしる」「とめる」「いかす」の3つを柱として進めています。

このうちの「はしる」では、自転車道や自転車レーン、矢羽根型路面表示などを道路の状況に応じて整備し、交通ルールやマナーの啓発にも取り組んでいます。「とめる」では、放置自転車対策として駐輪場の整備や改修を進めています。神戸駅前においては、市内で初めてとなる地下タワー式駐輪場の整備が進められていて、今年6月には、一部が先行オープンする予定です。

「いかす」の取り組みとして、北区から西区にかけて整備されている「神出山田自転車道」では、レンタサイクル事業を実施。自転車道は衝原湖周辺や田園風景のなかを走るルートとなっていて、初心者から家族連れまで利用されているということです。

神戸市は、都心部で展開しているシェアサイクル「コベリン」の設置エリアも拡大中。今後は、住宅地を含めた市域全体への展開を目指しており、安全で利用しやすい自転車環境づくりを進めたいとしています。(2026/05/30 ラジオ関西)


神戸市では、「自転車課」を設置したようです。従来ならば、放置自転車対策にとどまっていたと思いますが、自転車の利用環境の整備を掲げ、活用という点にも目を向け始めているのは評価できるでしょう。「いかす」については、特定の自転車道だけではなく、もっと広い意味での活用を考えてほしいと思います。


自治体さま必見!「人流×車両×自転車データが、まちの未来をつくる。」都市計画・道路整備から交通安全まで、地域課題解決への新アプローチ

データ交通事故の抑止、渋滞緩和、安全なまちづくり― 自治体が向き合う交通課題は、年々複雑化しています。

2026年4月の改正道路交通法施行(自転車への青切符制度導入・違反行為への罰則強化など)を契機に、自転車を含む交通安全対策の実効性がこれまで以上に求められるようになりました。

本セミナーでは、交通安全を取り巻く現状の整理から、人流・車両・自転車データを掛け合わせた弊社の分析サービスのご紹介、実際の活用事例まで、実務担当者の方がすぐに活かせる知見をわかりやすくお届けします。ぜひご参加ください!(KDDI)


企業のプレスリリースですが、KDDIが自治体向けに都市計画や道路整備向けのデータの活用を呼び掛けています。これまでの漫然と慣習や固定観念にとらわれた整備をするよりも、はるかに効果的でユーザーにも優しい整備が期待できます。データに基づいた合理的かつ先進的な手法を取り入れるべきだと思います。


都市と人間の関係性を問い直す 東京を建築家と自転車で巡るライド

ライド東京・山の手を建築家と共に自転車で巡り、都市の成り立ちや構造物が織りなす街の表情を読み解こうというユニークなライドイベントが開催された。

英国製折り畳み自転車の「ブロンプトン ジャパン」が主催。初夏を思わせる強い日差しの下、2時間半、約12.5キロを一般参加者と一緒に走った。見慣れたはずの景観に、どんな再発見があったかリポートする。

代官山の街並み形成を考える

イベントのテーマは「Urban Explorer―都市と出会い直す―」。案内してくれたのは、工学院大学125周年記念総合教育棟や日本盲導犬総合センター、魚沼市庁舎などの作品で知られる建築家の千葉学さん(65)だ。今年3月まで、東京大学大学院教授として教鞭(きょうべん)を執った。

自他共に認めるサイクリストでもある。小学生の頃にYMCAのサイクリングクラブに入り、その時目にしたツール・ド・フランスの映像に衝撃を受け、自転車の魅力に取りつかれた。現在はロードバイクなど十数台を所有するという「強者(つわもの)」だ。(以下略 2026年05月29日 時事通信)


テレビでも、テーマを掲げて専門家とともに歩いて解明する番組が人気となっています。街を違う視点で見たり、学ぶ面白さがあるのでしょう。これに自転車を使えば、移動効率も上がります。ガイドツアーのバリエーションを増やすことにもなるわけで、地域の観光資源としても使えるのではないでしょうか。





◇ 日々の雑感 ◇

台風6号が明日にかけて西日本や東日本の南岸に接近通過しそうです。後悔しない為避難しておくべきですね。

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この記事へのコメント
個人的には、最速で状況を改善するには、
 自転車の歩道通行完全禁止(幼児車を除く)。
 押し歩きのみ可能
 (当然、特例特定小型原動機付自転車も、通行禁止)
とするのが最短になるのではと思います。ついでに
 ヘルメットの完全義務化
があると望ましい。

下手に歩道を通行できるので、行政は歩道を通行させようとするし、勘違いして歩道を自転車本来の速度で走る輩も出てきます。

全員が正しく車道通行をするならば、行政も、歩道幅の見直し(現在は、自転車の歩道通行を可能にするため広くなっている)により、自転車レーンを作ることや、一部危険な道路は自転車通行を完全に禁止し、その代わり、一本裏の道路を歩行者と自転車専用にするなどという発想も生まれてくることでしょう。

自転車を歩道にあげてから、現在のような混沌状態になるまで、半世紀かかりました。自転車の歩道通行を禁止すれば、1から2世紀後には、本来の姿に復帰できるものと思います。
Posted by ひでさん at June 02, 2026 17:15
ひでさんさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

私も時々書いていますが、車道走行を徹底すべきというのは全くその通りだと思います。
警察庁や国土交通省は車道走行の原則への大転換を表明しましたが、相変わらず自治体の中には歩道に通行帯を設けるなど、チグハグな対応をするところもあります。
結果として曖昧となり、おっしゃる通りいろいろな弊害が出ているのも間違いありません。

青キップ導入は一つのチャンスでしたが、市民の反発もありますし、実際問題として車道走行が困難な場所があったり、違法駐車などの問題も露呈するなど、徹底できていません。

せっかくのチャンスですから、今からでも遅くありません。車道に自転車の走行空間を確保するべくインフラ整備を進めるべきです。
国土交通省の調査でも、すぐにでも自転車レーンが設置できる主要道は全体の8割に及ぶとわかっています。
規格にこだわらなければ、すぐに出来ることは少なくないはずです。
やりようとやる気によっては、早急に変えられると思います。
Posted by cycleroad at June 05, 2026 12:04
 
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