June 14, 2026

爆弾でなく自転車を供与する

アメリカは軍事介入を繰り返してきました。


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今年2月28日に始めたイランとの戦争もそうですし、12日間戦争と呼ばれた25年6月にもイランの核施設への爆撃を行っています。今年1月には大規模な軍事作戦によりベネズエラのマドゥーロ大統領夫妻を拘束しましたし、イランの次はキューバだと名指しもしています。

直近だけでなく、歴史上数多くの対外介入を実施しており、朝鮮半島やベトナム、イラクやアフガニスタン、グレナダやパナマ、ニカラグアなど挙げればキリがありません。メキシコ、キューバ、ハイチ、ドミニカ共和国、グアテマラ、エルサルバドル、コスタリカ、コロンビアなどにも直接・間接に介入しています。

Photo by Tiomono,licensed under the Creative Commons Attribution ShareAlike 3.0 Unported.This image is in the public domain.

こうした軍事介入を、必ずしもアメリカ国民が支持しているわけではありません。現在のイラン戦争に対しても、世論調査では国民の半数以上が支持していないと出ています。ガソリン価格の上昇や生活費の高騰、失業などに不満が高まっているのは間違いありません。

1979年に起きたコントラ戦争、ニカラグアと反政府勢力で起きた内戦は、東西冷戦下の代理戦争となりました。ニカラグア政府には当時のソビエト連邦やキューバが味方につき、アメリカや親米だったホンジュラスやエルサルバドル、コスタリカ、グアテマラなどがコントラを支援する内戦となりました。

Photo by Troy Sankey,licensed under the Creative Commons Attribution ShareAlike 3.0 Unported.Bikes Not Bombs

アメリカと対立していたイランも当時はイスラエルを通じてアメリカに協力するという、今では考えられない構図でした。政権を握ったサンディニスタ民族解放戦線とコントラのゲリラ兵士が戦う内戦であり、戦うのはニカラグア国民でしたが、アメリカは武器や弾薬などを供与していたのです。

さて、当時はレーガン政権でしたが、このコントラ戦争への支援に反対し、当時実行されていたアメリカのニカラグアへの禁輸措置に抵抗し、現地の住民を支援しようとした人たちがいます。その一つが現在マサチューセッツ州ボストンに拠点を置く非営利団体、“Bikes Not Bombs”です。



Bikes Not BombsBikes Not Bombs

文字通り、「爆弾ではなく自転車を」という活動でした。政府ではなく民間の非営利団体なので大きな資金はありません。そこで中古の自転車や自転車部品を現地に送ったのです。自転車は当時の制裁で苦しむ住民たちの移動を助け、生活を成り立たせるための手段となりました。

活動開始以来、“Bikes Not Bombs”は中米やカリブ海、アフリカなどの国々に累計7万台以上の自転車と部品を送ってきました。これは、農作物を市場へ運ぶための輸送手段、通学や工場や鉱山などへの移動手段、さらに自転車を改造した機械としても使われています。

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自転車やその部品を使った脱穀機、製粉機、水を汲み上げる機械、コービーの果肉を取り除く機械など、農家が使う人力の機械として、電気の使えない貧しい現地の住民たちの生活に大きな力を与えるものです。同時に自転車の整備を教えるなどの職業訓練を通して、生計を立てる助けにもなります。

もちろん、水を汲みに行く輸送手段としても大きな役割を果たします。歩いて運べる量や時間と比べたら、大きな効率化です。移動や輸送としての手段であるとともに、子供たちが学校へ行く手段にもなるわけで、将来の貧困からの脱出にも寄与します。先進国での自転車とは役に立つ度合いが大きく違うのです。

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直接的な食料支援も重要だと思いますが、食べたらおしまいです。継続するには資金も必要です。中古とは言え自転車は現地の住民の生活に、供与した以降も役立ち続けるのです。よく例えられますが、魚を与えるのと、魚を釣る道具や技術を教えるのとの違いということになります。

1984年に設立された“Bikes Not Bombs”ですが、当初のニカラグア向けのプログラムだけではなく、現在は広く活動をしています。ですが、設立時の理念、「爆弾ではなく自転車を」を大切にしています。現在でも多くの地域に戦争や暴力、恐怖、そして貧困や困難があります。爆弾では救われないものがあるからです。

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そして支援するのは中古の自転車にこだわっています。他には新品の自転車を供与する団体もありますが、使わなくなった自転車を集め、修理・整備して送り出します。資源の有効活用になるだけでなく、資金的にも持続可能です。このことにより、現在まで続いているのです。

先進国の人にとっては、単なる中古の自転車、廃棄物かも知れません。しかし、“Bikes Not Bombs”にとっての自転車は、社会を変革する手段だと考えています。事実、グローバルサウスの国々において、困難な環境や阻害された人々の生活の向上や貧困からの脱出、経済的自立に役立っています。

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“Bikes Not Bombs”は社会的な活動をする非営利団体の一つに過ぎません。アメリカが他国に軍事介入を繰り返すのは、国家として安全保障や外交上の戦略など考えがあるのでしょう。一方で、アメリカの民間の人たちがそれぞれの理念を掲げ、草の根の支援活動を展開しているのも確かです。







◇ 日々の雑感 ◇

明日は早起きという人は多いでしょう。真昼間でない分むしろリアルタイム観戦できる人は多いかも知れません。

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