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夏休みは学校が休みで、目一杯遊べる夢のような期間だったと懐かしく思い返す大人も多いに違いありません。一方、夏休みの宿題が8月の末くらいになっても全く終わっておらず、半べそをかいていた思い出がもあるかも知れません。ただ、夏休みの宿題については以前とは少し違った動きも出てきているようです。
最近は、漢字や計算のドリル、読書感想文、絵日記、朝顔の観察といった、ある意味伝統的な宿題は変わりつつあると言います。小学校教師の働き方改革もあって、夏休みの宿題を減らし、子どもには自由に学習をすることを推奨するなど、やらされる勉強は身につかないとして廃止する動きもあるそうです。
また、AIの普及も背景にあるのでしょう。今どきは小学生の4割程度が生成AIを使っている、あるいは使っていると推測されるとの調査結果も出ています。学校の教師にとっても採点などの一定の負荷がかかる宿題ですが、AIを使って丸写しして提出するような課題に意味はないと考える人も増えているようです。
当然ながらAIに宿題をやらせて提出しても、本人の学力向上にはつながらないので、出す方も解く方も無駄というのはよくわかります。ただ、AIの使い方の勉強にはなるので、これからの時代に必要なスキルを磨くことになるのではないかと考える人もあるようです。
いろいろな考え方はありますが、夏休みの宿題が無くなると、親としては子どもが遊ぶばかりになってしまって学力の低下が心配になります。子供は喜ぶでしょうが、毎日動画を見たりゲームをやるだけになってしまうなど、親にとっては素直に賛成しかねる面もあるのではないでしょうか。
ところで、アメリカの子どもたちは、一般的に夏休みの宿題がありません。期間は地域によってバラつきはありますが、毎年6月上旬から8月下旬ないし9月上旬までの長い夏休みはあります。でも、アメリカでは9月に新学年が始まるため、先生も変わってしまうので、夏休みの宿題は出されないのです。
日本で春休みに宿題がないのと同じと言えるでしょう。学年が変わるので、宿題を出しても採点する先生がいません。成績にも反映しないので出さないわけです。子供にとっては、短い春休みに宿題が無いのは当然として、長い夏休みに宿題がないアメリカの子どもたちがうらやましいかも知れません。
では、アメリカの子どもたちがどのように夏休みを過ごすかと言えば、家族とサマーバケーションに出かけたり、サマーキャンプやサマースクールに数週間単位で通うのが定番の過ごし方になっています。サマーキャンプに出かけたりする以外の期間、多いのがサマーリーディングに通うことです。
アメリカの親たちも、2か月半から3か月の間、ずっと遊ばせておいていいとは考えません。むしろ、サマースライド(Summer slide)と言って、長い夏休みの間に子供が勉強をしないために学力が下がってしまう現象が意識されていて、問題と捉えられているのです。
サマーリーディングは、地域の自治体や図書館、コミュニティなどが主催する読書プログラムです。この期間に読書に親しませようという狙いがあります。子供に本を読ませるのはいい勉強になります。教師が教えるのではなく自主的にやらせられます。なかなか普段できない読書をさせるには絶好の機会です。
あとは、いかに子どもたちに興味を持ってもらい、参加してもらうかがポイントになります。サマーリーディングはサマースライド対策の定番として定着していますが、当然ながら中身は地域によってさまざまです。いかに読書を好きになってもらって、本を読んでもらうかが課題です。
主催者としては、夏休みの子どもたちにイヤイヤ参加してもらうのではなく、楽しいイベントにして集まってもらいたいと考えます。冊数の目標を立てて記録し、達成するとご褒美がもらえるといった内容も多いようです。見ていると、そこに自転車と組み合わせている事例が意外に多く見られます。
“Read & Ride”と呼ばれるようなイベントです。例えば、バージニア州ウェインズボロては、子どもたちに自転車に乗ることと本を読むことの両方に興味を持ってもらおうとしています。サイクリングをしたり、自転車に乗る練習が出来る一方で、読書に親しんでもらおうというものです。
イリノイ州ピオリアの公共図書館では、毎年恒例のイベントとして、数百人が集まる読書チャレンジを開催しています。あらゆる年齢の子どもたちが参加し、新しい自転車や電動スクーターが当たるチャンスがあります。今年は、ヘルメット付きの自転車が65台以上、多数の電動スクーターが抽選で贈られました。

もう20年も続いているこのイベントでは、素敵な賞品をもらうため、子どもたちが夏休みの読書課題をやり遂げようとします。賞品で釣るみたいですが、きっかけはともかく、読書は日々の習慣であり、それが身につくことが重要だと考えているのです。公共図書館ということもあるのでしょうが、賞品は決まって自転車です。
メイン州では、州政府が夏休み期間に最低500分以上読書した子どもたちに、48組の自転車とヘルメットが当たるチャンスを提供しています。これは同州のフリーメイソン慈善団体から寄贈されたものです。この財団では、これまでにも“
Bikes for Books”というプログラムを通して多くの自転車を寄贈しています。

財団は幼い頃から読書習慣を育むことは非常に重要だと考えており、子供たちの読解力・理解力を向上させ、それによって人生を豊かにしてもらおうと、“
Masonic Bikes for Books program”を実施しており、その一環なのです。なぜか、ここでも本と自転車という組み合わせです。
このほかにも、自転車と本を組み合わせた子ども向けイベントは全米でたくさん見つかります。ありふれた組み合わせのようです。賞品にするかライドイベントかは別として、読書と共に、自転車で外で遊んでもらうことも目的です。家でゲームばかりしていないで、身体を動かして健康増進も進めようというのでしょう。

最近の子供は、スマホで動画を見たりゲームばかりしていて、読書する習慣の無い子も少なくありません。映画や動画は受動的にでも視聴できますが、読書は自分から読む必要があります。そして読書習慣がないと、どうしても動画などに流れて本を読まなくなるに違いありません。
動画でも学ぶことは出来ると思いますが、自分の頭で想像力を働かせながら読書をするのとはまた違います。本を読んで、今まで知らなかった世界に出会って人生が変わる人もいます。人間関係の機微が学べたり、考え方が広がったり、人生を考えたりすることもあるでしょう。読書には意味があります。

アメリカの親も、サマースライドは別にしても、読書に親しませたいと考えるので、このようなプログラムが増えるのだと思います。同時に家の中でゲームばかりしていないで、自転車に乗ることで、肥満防止、体力増強、健康増進になります。夏休みのこの組み合わせは一挙両得と言えるのかも知れません。
◇ 日々の雑感 ◇
国内では5日連続の酷暑日が記録され過去最長まさに危険な暑さです。なるべく外出は避けた方がよさそうです。
Posted by cycleroad at 13:00│
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