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新しい道路をつくったり、道路幅を拡幅するには長い年月と土地買収資金も含む多くの予算が必要になるでしょう。新設でなくても周辺設備の拡充や道路の補修、清掃等メンテナンスなどにも費用がかかります。これらはクルマを使う人向けの予算ということになります。
日本では受益者負担という考え方から道路特定財源がありましたが廃止されました。ヨーロッパでもクルマ向けの税金はありますが、負担するドライバーが受益するのが当たり前という考え方ではありません。むしろ、環境負荷を高めたり都市部の道路という公共財を使うことに対し、負担を増やすべきと風当りは強まっています。
税金をドライバーのために使う一方で、クルマを使わない人に対しては予算が使われていません。もちろん歩道や自転車インフラの整備などもありますが、それは相対的に小さな額です。これは不公平ではないかとする考える人も増えています。これまでのクルマ優先という固定観念に気づき、それを見直す動きが強まっているのです。
そこで欧州では、通勤などにクルマを使わず自転車を使う人に対して、もっと予算を配分しようという考え方が広がっています。クルマに代えて自転車を使えば、温暖化ガスを減らすというEUとしての目標に合致します。それだけでなく、ディーゼル車の多いヨーロッパで深刻な粒子状物質による健康被害も減らすことになります。
道路渋滞はドライバーがイライラするだけでなく、無駄な時間を費やすことで社会的に莫大な経済損失となることがわかっています。その渋滞を減らすことにもなります。都市の居住環境の向上にもつながりますし、都市の中心部へのクルマの流入を減らし、交通事故を減らすという政策とも整合的です。
さらに、自転車に乗ることで運動不足が解消され、人々の健康増進にもつながります。一人ひとりへの恩恵は見えにくい場合もありますが、全体としてみれば医療費を減らす効果が大きいことがわかっています。これは国家予算のうちの医療費や介護、福祉予算を減らす効果もあり、社会的なメリットなのです。
そこでヨーロッパでは自転車走行空間の整備が進められていることは、このブログでも何度も取り上げてきました。さらに、それだけではなく、自転車で通勤する人に対して金銭的な報酬を支払おうという流れが拡大しています。実際に報酬を支払う国が増えています。
オランダは自他共に認める自転車大国ですが、自転車レーンなどの整備をする一方で、それを使ってもらわなければ意味がないので、自転車を使うことへのインセンティブがあります。通勤で自転車を1�匸茲襪瓦箸法△�よそ0.20ユーロが給与と合わせて非課税で支給されます。
ベルギーでも給与と一緒に自転車手当を受け取れます。額は1�劼△燭蠅�よそ0.25〜0.37ユーロです。小さな額と思うかも知れませんが、例えば片道10キロなら1日7.4ユーロ、200日間通勤したとすれば、年間1480ユーロになります。決して小さな額ではないでしょう。
フランスでは1�劼△燭蝪亜ィ横汽罅璽蹐亮蠹�が支払われます。デンマークでは、自治体ごとに金額は違いますが、やはり奨励金や補助金が支給されます。ドイツでは、約0.30ユーロ/�劼魎霆爐忘戮�く規定された手当が支給されています。イギリスやアイルランド、イタリアにも同種の制度があります。
国や自治体によって細かい部分は違いますが、自転車通勤に報奨金を支払う制度があります。通勤で乗る距離ごとのインセンティブ以外に、自転車や部品を購入する時の補助とか、レンタル・シェアサイクルの利用に対する補助など、初期費用を減らすような金銭支給制度もあります。
これらの報酬は基本的に企業や団体の給与に上乗せして支払われます。政府や自治体が個々人の通勤方法まで把握するのは困難です。企業が支給し、その金額を合計して政府や自治体などから資金を受け取る形です。会社に対しても課税措置に優遇があるなど、インセンティブが設けられている場合もあります。
自転車通勤者向けですので、さすがに趣味で乗る人までは含まれないわけですが、朝夕の通勤を自転車にする人が増えれば、上述の社会的な効果が見込めます。最近は電動アシスト自転車が普及してきたので、坂を上るのがイヤだと敬遠していた人でも自転車通勤を始める人が増えています。
クルマと違って自転車は初期費用もランニングコストも小さいわけですが、さらに報酬をもらえるとなれば、クルマをやめて自転車通勤にしたくなる人は多いに違いありません。近年は原油価格の高騰からガソリン代が上がっているわけですが、その点でも家計の節約効果は大きいものになるでしょう。
近年、ヨーロッパでは自転車に乗る人が急増していると伝えられますが、こうした背景もあるわけです。自転車インフラの充実もありますが、それだけではなく、自転車を通勤に使うことに対するインセンティブが自転車に乗る人の増加を後押しているのは間違いありません。
日本でも、中には社員の自転車通勤を奨励する企業もあるかも知れませんが、政府や自治体が政策として自転車利用のインセンティブに予算を使うというのは、ほとんど聞いたことがありません。もちろん、鉄道網の充実など通勤環境の違いもありますが、日本との差の大きさを改めて感じます。
日本でも、渋滞対策や環境負荷の軽減、人々の健康増進や医療費、社会保険料の抑制など国や自治体としてのメリットは大きいはずです。自転車の活用推進によって、一石で何鳥もの効果が得られる場合も少なくありません。欧州を参考に、道路インフラの整備全般の考え方を、一度見直してみる手もあるのではないでしょうか。
◇ 日々の雑感 ◇
プルデンシャル生命日本法人、顧客から金銭を騙し取る行為が横行する会社は業務停止でなく免許剥奪では。
Posted by cycleroad at 13:00│
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